2014年7月10日
TIスイム創設者 テリー・ラクリン
3回連載の第1回「入水前の3分間で泳ぎを変える」では、練習の初め(ほとんどの場合、水に入る前)の3分間を使って、精神の鎮め、集中力を高めること をお勧めしました。前回の要点をまとめてみましょう。
  1. 鼻で呼吸する:口で行う呼吸は、ストレスによって活発になる交感神経系に刺激を与えます。鼻で行う呼吸は、沈静と癒やす力のある副交感神経系に刺激を与えます。
  2. 呼吸をゆっくりする:ゆっくり呼吸することによって、リラックスし、呼吸の効率を高め、細胞内の酸素供給が増加します。まず、時計を使って1分間の平常時呼吸数を計ります。平均は大体12回です。次に、1分で7回以下までゆっくりできるか試します。(注:ゆっくりと完全に息を吸います。無理しない程度に息を止めます。そして、自然と息を吐きます。次に息を吸う前に 1拍おいてリラックスします。)私は今、机の前でこれを書きながら、1分間に6回気持ちよく呼吸しました。1日に数回、一息ついた時にこれを行って、プールでも直ぐにできるようにします。
  3. 無心になる:呼吸だけに集中する練習をします。雑念を払って、頭を空にします。

心身ともにリラックスできたら、 呼吸と共に、考えること(この場合は「ストローク」)で頭を満たしていきます。

普段の練習で使っているフォーカルポイントを選びます。目を瞑り(開けている場合は焦点を合わせない)、自分が泳いでる姿をイメージします。できるだけ鮮明に感覚をつかむようにします。

可視化は、練習を繰り返して向上するスキルです。可視化の利点は、実際に行動している時に作動する神経回路が、可視化によっても作動すること、そして、完璧な脳内リハーサルができることです。(ハーバード大学で行った調査研究「可視化によるピアノの練習」を読んでみて下さい。)

可視化を行う際のポイント:

  • 頭の位置:無重力でニュートラル、完璧に安定した頭でストロークしている自分をイメージします。頭と背骨が一列につながっているのをイメージします。頭が水に支えられているのを感じます。サポートとリラクゼーションと同じレベルの感覚で呼吸しているのをイメージします。
  • 伸びる:ストロークする腕が、無重力で前に伸びる感覚をイメージします。それと同時に、リラックスした手がわずかに下に垂れ、腕が完全に伸びた時に肩が軽く前に引っ張られるのを感じます。
  • 呼吸と伸び:上記2つの感覚を合わせます。頭と体が右に回転するのと同時に、左の腕が伸びるのを感じます。

ご注意:可視化の練習を始めたばかりの人は、1つの感覚に絞って可視化の練習をしてください。実際に泳いでいるように(またはそれ以上に)鮮明に30秒可視化を維持することができるようになるまで、1つの可視化を3回以上繰り返し練習してください。

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