2011年11月10日
TIコーチ 田中幸夫
田中コーチ
 前回、クロールによる「7ストローク・スイム」を達成し、そのときの映像と記事がTSM(2010年11月号)に掲載されました。今回はその発展形として、バタフライでのストローク数削減に取り組み、「3ストローク・バタフライ」を達成することができました。

 私はマスターズ・スイマーとして毎年8回ほど、大会に出場しています。バタフライを得意としており、大会ではストロークのピッチをあげることを優先して、25mを12ストローク程度で泳ぎます。通常の練習では25mを7、8ストロークで泳いでいます。これをどれくらいまで減らすことができるかと考え、半分以下の3ストロークを目標に削減に取り組みました。

 想定したストロークごとの距離は、スタートのけのび10mから1ストロークの後、5m進んで2ストローク、さらに5m進んで3ストローク、そして残りの5mを伸びれば、合計25mになります。しかしながら、浮き上がってしまってからの第1キックではほとんど推進力となりません。そこで、けのびの推進力が落ちない、体が浮き上がる寸前に1回目のストロークのための第1キックを打つことがポイントでした。

 ストロークの後は水の抵抗を受けない姿勢(ストリームライン)を素早く作り、次の2ストローク、3ストロークにつなぎます。このタイミングがずれると25mに到達しません。このため、けのびから8m付近で最初のキックを早めに打ち、後の伸びを6m、6m、5mとするようにしました。3ストローク・バタフライでは泳ぎのほとんどが水中にあり、いかに水の抵抗を受けない姿勢を保てるかが極めて重要なので、効率的な泳ぎをめざせるようになると思います。

 この映像の撮影時は時間がなく、水中での撮影も、映像を見ての修正もできなかったため、あらためて自分の映像を見ると、力が入りすぎで、水しぶきが多く、静かでスムーズな入水ができれば、もっと良かったと思っています。

 オリンピック選手クラスなら2ストロークで泳ぐことも可能だと思いますが、63歳での達成は評価してもらえるのではないかと思います。また映像後半のハードの泳ぎでももう少し水をとらえておくことができればと思っています。自分では水切り投石のように「水の上を滑るように泳ぐ」ことをイメージしています。

 この後、クロールでのストローク数を減らして、長く、そして速く泳ぐことを目標に練習しました。200mでの各25mを15ストロークで泳ぎ、後半は苦しくなりますが、3分を切ることもできるようになりました。現在はさらに「25m14ストロークで200mを3分」、「25m15ストロークで400mを6分」をそれぞれ目標にして練習しています。

 ストローク数、距離、時間を3点セットにした目標設定が一番良いように思いますので、ぜひ皆様も目標を設定してみて下さい。これは先日行われたオンライン・セミナー「永久上達への道」にもつながっていくことだと思います。

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