Q&Aのコーナー
Q:カンタン・クロールのドリル1「バランスのとれた背浮き」をやってみましたが、足が沈んでしまいます。どうすればよいでしょうか。
A:まず顔の回りに水面がくるくらい後頭部に重心をかけましょう。しかし次のような人は、それでも足が沈む場合があります。
  • 痩せ型の人
  • 背の高い人
  • ジョギングやマラソン、自転車などをやっていて足に筋肉がついている人

要は足に脂肪の少ない人ほど足の体積が少なく、従って足が受ける浮力も少ないので沈んでしまうのです。背浮きのバランスで全ての人の足が浮くわけではありませんのでご安心ください。(私もほとんど沈んだ状態です)

この場合体の側にある両手を頭の上(進行方向水面)に背伸びをするように動かしてみます。重心が移動して足が浮いてくれば、重心移動の感覚がつかめたので次のドリルを行います。現在のTIのドリルから除外していますが、うつぶせになったときの重心移動では、足が浮くまで頭を沈めます。従って全員が足が浮くことになります。(回答:竹内慎司)

Q:クロールを長く泳ぐには、どうしたらよいでしょうか。息継ぎが苦しくなり、毎回200m位が限度です。
A:多くの方が息継ぎで苦労されていますが、これは息継ぎをする姿勢がもっとも不安定な姿勢になっているからです。息継ぎの姿勢では、
・片方の手が水上に出ている
 →水上にある手の体積と同じ体積の水の質量だけ浮力が減る
・口を水の上に出すために頭が上がってしまう
 →頭が水上に出た以上に、腰が沈み、足はもっと沈む(50センチ以上)
・片側で呼吸するので横を向いている
 →足の向きと体の向き、頭の向きが一致せずねじれた状態になる

というわけでこれらの問題を解決するステップとしては、
 1)バランスをとり、頭が常に下がり足が水面すれすれまで浮くようにする
 2)体全体を横に向けて安定した姿勢をとる
 3)呼吸時に水中にある側の手を伸ばすことで体を伸ばし、水中で安定させると同時に水の抵抗を減らす
 4)手を水上から水中に運ぶ動作(リカバリー)のときの姿勢を安定させる
ことでラクに息継ぎができるようになります。

また「息苦しくなる」感覚は、酸素が不足して起きるのではなく体内の二酸化炭素が増えて発生する点にも注意しましょう。つまりできるだけ息を吐いて体内の二酸化炭素を排出することが、息苦しくなくなる秘訣になります。

この他に注意する点・意識する点につきましてはトータル・スイム・マガジン6/17号のテリー・ラクリンの記事「カンタン・息継ぎ」をご覧ください。(回答:竹内慎司)
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