抵抗を減らす姿勢 イージー・スイミング シニアコーチ 中村大輔

 2019年12月10日

中村コーチ

イージースイミングの中村大輔です。
いつもイージースイムマガジンをお読み頂きまして、ありがとうございます。
以前にボディポジションに関する記事を書かせて頂きましたが、今回はその続きで視点を変えたお話をします。

まずは下の画像をご覧ください。ローリングと共に腕が伸びてグライドしている局面の画ですが、片側の肩や肩甲骨が水上に出ているのがお分かり頂けると思います。

一般的な成人男性の場合、両肩の幅は40~45cm程度といわれています。ローリング動作を行うことで片側の肩が10~15cm程度水上に出て来るようになります。両肩が水没している状態と比較すると単純計算ではありますが、真正面から肩に受ける抵抗が少なくとも25%減らせていることになります。故にローリングは加速を作り出すだけでなく、抵抗を減らす役割もあるといえます。
これを踏まえた上で、先の記事にて解説した前のめり感による水平な姿勢を取る技術と組み合わせれば、減らせる抵抗は如何程になるでしょう?

水泳における推進力の効率は、「加速を生み出す技術」と「抵抗を減らす姿勢」によって成り立ちます。これまでの経験上、多くの初~中級レベルのスイマーは速く泳ぐ為に加速を作る動作に思考が偏重する傾向があると感じています。当然必要な技術ではありますが、一旦視点を変えてみて抵抗を減らす練習をしてみることをお勧めします。

但しこれは、主に水泳の初~中級レベルのスイマーを対象にした考え方になります。上級もしくは競泳レベルの話になると様々な理論があり、この考え方が必ずしもタイムを減少させる要因にならない場合もあるので注意が必要です。