2015年3月10日
TIシニアコーチ 中村 大輔
中村コーチ

TIジャパン・シニアコーチの中村大輔です。いつもトータル・スイム・マガジンをご覧頂きまして、誠にありがとうございます。

私が日頃担当するTIジャパンの選手育成クラスはレースに必要な技術習得や体力作りはもちろんですが、第一の目的は「身体にやさしい(=故障しにくい)フォームを身に付けること」にあります。私達TIジャパンも1〜2ヶ月おきに競技会に出場していますが、「量」を重視するか、「質」を重視するか、時期によって判断に悩む時があります。

競技経験の浅い若年者は能力以上の練習をこなし続けることで身体に変調を感じながらもなかなかそれを意思表示できず、思わぬところで故障をしてしまうことがあります。故障は選手のモチベーションを著しく低下させます。またコーチ自身も「故障者を出してしまった…」という自責の念に駆られることでしょう。

TIジャパンはこれまでコーチの所為による故障者を出したことが、ただの一度もありません。それはどのチームよりもフォーム指導を重視し、練習内容の「質」を追求していった結果であると自負しています。そのような技術を磨く機会を「ジュニア選手スキルアップ・プログラム」と題して、この春全てのジュニア選手に向けて提供することとしました。

私は常に選手の身体を第一に考えるコーチでいたいと思っています。目的はどうあれ、対象者に水泳を長く続けてもらうことが指導者としての自分に課せられた使命であり、水泳が素晴らしいスポーツであることをいつまでも彼らに伝えていかなければなりません。

今このタイミングでフォームを改良することは、スイマーとしての寿命を延ばすだけでなく、タイム向上の可能性を大きく広げます。

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