2015年3月10日
トータル・イマージョン代表 竹内慎司
ラクに泳ぐための技術として欠かせないのが、効率のよいキックです。今回は2種類のキックの方法についてご紹介しましょう。

陸上とは異なる蹴り方
陸上でキックの動作を行うときは、最初にかかとを後ろに引いて足を持ち上げ、次に重力を使って足を振ります。ところが水中では動作が全く異なります。最初にかかとの位置を変えずにひざをゆるめ、次に足の甲で水を押さえながらひざの裏を素早く伸ばします。ももの動かし方は、ひざを固定してバタ足をしたときに足の甲で水を押さえることが感じる程度まで小さくします。ももの小さな動きと、ゆるめたひざを素早く戻す動きを組み合わせることで効率のよいキックが完成します。

6ビートキックのやり方
クロールで左右それぞれの手の動きに対して3回ずつ、合計6回キックするのが6ビートキックです。これはバタ足とも呼びます。かかとが水面から出ないようにして、ひざをゆるめることで蹴り幅を確保します。前に進むことではなく、足を浮かせることを意識するとラクにキックできます。左手を入水するときに右足から3回、右手を入水するときに左足から3回キックします。

2ビートキックのやり方
長くきれいに泳ぐのに欠かせないのが2ビートキックです。左右の手の入水に合わせて1回ずつキックします。写真上のように左手を入水するときに右ひざをゆるめ、写真下のように入水した手を伸ばすときに、ひざの裏を伸ばして足の甲で水を打ちます(スナップと呼びます)。

足の甲で押す水を「てこ」にして、入水した手を素早く伸ばすことにより加速が生まれます。伸ばす手と反対側の足を使うことから、この加速を「対角線の力」と呼んでいます。

2ビートキックは瞬間的に足を動かすので、それ以外の時間は足をまっすぐ伸ばした姿勢を作ることが大切です。また動かさない方の足がでしゃばって先に動いたり、つられて後から動いたりしないように意識します。

最終的には足の蹴り幅を自分の足の大きさ(25cm程度)にまで小さくすると、素早く動くキレの良いキックにすることができます。

最初はラクな6ビートキックを目指し、慣れてきたら2ビートキックに挑戦してみましょう。

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