2015年2月10日
TIスイム創設者 テリー・ラクリン
パリ出身のTIスイマー、マテューさんは、ニューパルツにあるTIスタジオのエンドレスプールで、1週間トレーニングをしています。マテューさんは、独習ワークショップDVDを使って独習し、驚くほど上達しました。 ニューパルツに来た時には、彼は既にバランス、安定性、ストリームラン、身体全体を使った推進力の基本的なスキルを身につけていました。TIコーチのアリス・ラクリンが、彼のスキルをさらに磨き、その後私も加わり、彼にカイゼントレーニングを行いました。

火曜日に私達は、マテューさんのリカバリーと入水動作をどのように微調整すれば、彼のキャッチがさらに改善されるか(ストロークによって、水を動かすのではなく、身体が前に押し出されるように)に取り組みました。私達は関連した3つのリハーサル −肘で円を描く、線を描く、ポストの投入口− を行いました。(これらは、独習ワークショップDVDのレッスン7で解説されています。)その後、これらのリハーサルに関連したフォーカルポイントに従って、それぞれのスキルに重点を置いたストローク全体の練習を行いました。

細かい運動神経と高度な集中力を要する新しいスキルを、微調整をして習得する時に良くあることですが、マテューさんは10分の集中練習で「肘で円を描く」動作をある程度うまくできるようになりました。その後の「線を描く」動作もうまくできたのですが、その動作に焦点を置くことで「肘で円を描く」動作が崩れてしまいました。最後の「ポストの投入口」でも同じような結果でした。手と腕の入水は上手にできるのですが、肘で円を描く動作と、指先で線を描く動作が崩れてしまうのです。

竹内慎司の「ポストの投入口」入水動作

彼にもこれは普通のことであると話しました。それぞれのスキルを時間をかけて練習すれば、少しずつ身に付いて、最後には全てがうまくつながるようになります。そして、次のフォーカルポイントに移る頃には、身体がしっかり覚えているはずです。

水曜日の朝、私達がレッスンを始めた時、マテューさんが「昨夜は一晩中TIの夢を見ていました。肘で円を描く動作と、線を描く動作をただひたすら続けていました。」と話してくれました。私は「他の生徒からも同じような話をよく聞きます。何かを一生懸命習得しようとすると、その夜にはその夢を見るようです。」と応えました。

そして、私がやってみるように促した後、彼の泳ぎを見て驚きました!前日に悪戦苦闘していた3つのスキルが、美しく、効率的な動きでうまく調和されているのです。彼はまるで(少なくとも10〜12ストロークは)アレクサンダー・ポポフかスン・ヤンのようでした。

これは、ねずみでの実験結果を元に、脳の現象を示した実際のイラストです。ゴールにチーズを置いた迷路を通り抜けるようとしている間の、ねずみの脳スキャンを科学者が確認したところ、活動パターンがうたた寝している時と全く同じだったそうです。科学者が説明しているように、問題を解決しようとする活動が高価値であると脳が判断すると、脳は寝てる間も解答をコード化し続けるのです。集中力の高い活動によって、脳へのコミュニケーションも高まり、脳がそれを重要であると判断するのです。

ニューロンの活性化
 ©Easy Swimming Corporation