2015年2月10日
トータル・イマージョン代表 竹内慎司
ラクに泳ぐための技術を段階的に身につけるため、「ドリル練習」を行います。今回は水上で手を前に動かす「リカバリー」の方法について説明します。リカバリーは2つのポイントがあります。

ポイント1:わきの下を開いて肘を前に運ぶ
リカバリーが難しいという方のほとんどが、肩の可動域を越えて手を動かしています。ここで実験してみましょう。気をつけの姿勢から、右のわきの下を開いて右肘をからだの横に上げます。ラクに動かすことができますね。次に肘を引くように後ろに動かしてから、腕全体を上に動かしてみましょう。肩が突っ張って動かしにくいことがわかります。
このように肘の動きが背中の面を越えると、手の動きがぎこちなくなります。これを防ぐには、リカバリーの最初に動作として「肘を上げる」のではなく、「わきの下を開いて」肘を前に運びます。

ポイント2: 肘と手首をゆるめる
リカバリーで手のひらを前に運ぼうとすると、手が緊張して疲れの原因になります。タイトル写真のように手で三角形を作ったら、肘と手首を完全にゆるめてこの三角形を保ちながら前に運びます。肩は使わず、わきの下を前に伸ばすことで腕全体を前に運びます。わきの下が突っ張った感じになるまで腕を前に運ぶと、重心が前に移動して腰が浮いてくるのがわかります。

リカバリーの素振り練習法
リカバリーの練習には素振りが適しています。

  1. 立った姿勢で、片方の肘を肩の高さまで上げます。肘から先を脱力して、上腕が床と平行、前腕が上腕と垂直になるようにします。
  2. 腕の形を保ったまま前にかがんで斜め姿勢を作り、もう片方の手を前に伸ばします(写真左)。
  3. わきを開いて手をゆっくりスイングします。
  4. 入水位置でスイッチの形を作ったら、手を元に戻して動作を繰り返します(写真右)。

ドリル練習では、

  1. 片手を前に伸ばした斜め姿勢(スケーティング)でバタ足をしながら、手をゆっくり前に運びます。このとき手の大部分が水中に入っていて構いません。
  2. 写真右のスイッチポイントまで手を運んだら、両手を切り替えてスイッチします。手がリラックスして、なめらかに動かせるようになるまで練習しましょう。
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