2014年11月10日
トータル・イマージョン代表 竹内慎司
水泳を上達させるのに最大の障壁となるのが、「これまでのクセ」です。このクセが出ないようにするために、クロールの動きを分解して技術を身につけるのが、「ドリル練習」です。今回はバランスを改善するためのドリル「スーパーマングライド」を紹介しましょう。

○倒れ込みながら床を蹴る
ドリル練習の最初の段階では、壁を蹴らずに床を蹴ってスタートします。まず床を蹴ってクロールを泳いでみましょう。

  1. 立った姿勢から、ひざを曲げながら前に倒れ込みます。
  2. 写真左のように足のすねがプールの床と平行になるまで倒れ込んだら、床を後ろに蹴ってひざの裏を素早く伸ばします。
  3. からだが上ではなく前に進むように、床を蹴る方向を調整します。プールが深いときは、息を吐きながらひざを緩めてからだを沈めます。

○スーパーマングライドのやり方

  1. 両手を肩幅に開いて水面下15cmに伸ばします。
  2. 前に倒れ込み、床を蹴って写真右のように平らな姿勢を作ります。
  3. 伸ばした手や首をリラックスさせます。キックはしません。
  4. 足が半分以上沈んだら立ち上がり、1.から繰り返します。

写真のように、頭からかかとまで一直線の姿勢を作ります。バランスがとれて水の抵抗が少なくなるので、最初に床を蹴った勢いだけで7〜10m進むことができます。動作に慣れてきたら、次の点を意識してみましょう。

  • 頭頂部は水面に:首をリラックスして頭を「浮かせる」ようにします。
  • 手をリラックス:水に支えられている感覚を得たら、肘を軽く伸ばしたまま手を緩めます。
  • 足を閉じる:股間を軽く締めるようにして足を閉じると、抵抗が減ってさらに前に進みます。

○クロールを泳いでみる
スーパーマングライドで前後のバランスのとれた姿勢が作れるようになったら、クロールを泳いでみましょう。

  1. 床を蹴ってスーパーマングライドを行います。
  2. バランスがとれたと感じたら、クロールを泳ぎ始めます。
  3. クロールを泳ぐときも、スーパーマングライドで得られた前後のバランス感覚を再現するようにします。

何回か繰り返して下半身が浮いていると感じたら、クロールを泳ぐときのキックの力を3割減らしてみます。ラクに泳げることが実感できるでしょう。

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