2014年9月10日
トータル・イマージョン代表 竹内慎司
スイム:3400yds
前日のネガティブ鍛錬モードへの反省から、3000のテンポピラミッド練習の質の向上を目指した。
テンポピラミッド練習の目的はそれぞれのテンポにおける泳ぎの最適化である。そこでこの最適化のステップを3つに分解した。
  1. テンポの最適化:テンポに合わせた無理のない動き、ラクな動き
  2. 水中軌跡の最長化:水中の手の動きの軌跡を長くし、滞在時間を増やす
  3. 投入エネルギーの最小化:各レバレッジが最大となるポイントや動かし方

1.テンポの最適化(100yds)
設定したテンポに合わせた手の動きだけでなく、よりラクに合わせるための手の動かし方を試す。
全行程において水上の手の動きにフォーカスする。最初の50で入水場所を固定化する。次の50でフィニッシュの場所を決め、ラクに動かせる水上の手の軌跡を決める。

目標はビープ音に合わせて動かすのではなく、手の入水直後にビープが聞こえるように余裕を持たせた動きをラクに行うことである。

2.水中軌跡の最長化(100yds)
泳ぎの最終的な推進力は手で水を後ろに押すことにより生まれる(作用反作用の関係)。仕事量は力×距離なので、推進力を最大にするには力を加えてその距離を伸ばせばよい。

全行程において水中の手の動きにフォーカスする。最初の50ではキャッチを始める場所を遠くすることで軌跡を伸ばす。次の50ではからだの下を通る手の軌跡をからだに近づける一方(軌跡は短くなるが速く動かすことができる→仕事量は増やせる)、プッシュの位置を下げることで軌跡を長くする。

最長化過程において水上の動きを軽く、短くすることでテンポに合わせるようにする。しかしテンポより動きが遅れてもあまり気にしない。次のステップで全体を最適化する。

3.投入エネルギーの最小化(100yds)
2の軌跡を実現するために、てこの原理を応用して他の動作を意識する。最初の50では肘の位置と軌跡を意識する。肘を動かす結果手の平に水圧を感じながら手が動くようにする。次の50ではスイッチ動作で入水側を力点、水中のキャッチの手を作用点とする。またスイッチ後に伸ばす手の動きを力点、水中のプッシュを作用点とする。

まとめると以下のようになる。

10×300@1.15-1.30-1.00秒
50:入水場所を確定してテンポに合わせる。
50:フィニッシュ位置を確定してラクにリカバリーし、テンポに合わせる。
50:キャッチの場所を遠ざけて水中軌跡を伸ばす。
50:水中軌跡をからだに近づけ、プッシュの位置を下げて水中軌跡を伸ばす。
50:肘を意識して水中の手を動かし、より大きな力を得る。
50:スイッチ動作や手を前に伸ばす動作を意識して水中の手を素早く動かす。

ピラミッド練習の結果としては、

  • 前半は大きな変化がなかったが、後半はがんばった感じを持たずに速くなった。
  • 全てのラップにおいて異なるタスクを用意したので、数え間違いがなくなった。
  • 忙しくしているうちに300が終わる。

意識の集中状態が続いたまま練習を終えることができた。プロセスをまとめるにあたり他の練習が阻害しないように本日の練習はこれで終わりとした。

練習後の気分:10(新しい考え方の発見)

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