2014年9月10日
トータル・イマージョン代表 竹内慎司
クロールが上手に泳げない理由として、息継ぎを挙げる方は本当に多いですね。今回はラクに息継ぎができるようになるための技術を紹介しましょう。

○苦しくならない仕組み
まず写真の「くらげ浮き」を行います(注意:ライフガードに予め伝えましょう。おぼれていると勘違いされます)。顔を水に浸け、両手両足を完全に脱力します。息は止めます。足が床に着いていても構いません。この姿勢でいられる時間を計ります。
もし30秒続けられないのであれば、筋肉が緊張しています。人間が苦しいと感じるのは、酸素が少なくなるからではなく、二酸化炭素の血中濃度が増えるからです。そして体内の二酸化炭素は、筋肉を緊張させることで急増します。苦しくならないようにするには、からだ全体をリラックスすればよいのです。

○息継ぎなしで泳ぐ
くらげ浮きで得られたリラックス感を使って、クロールを4ストローク(左右2回ずつ入水すること)泳いでみましょう。手でかいて前に進むことを意識せず、手を入水するたびに体重を前にかけるようにします。このように短い距離を泳ぐことで、得られる感覚を鋭敏にしていきます。
ラクに泳げていると感じたら、ストローク数を増やします。リラックスすることや体重を前に乗せることを意識して、手のかきやキックを抑えれば、プールの半分(12m)までラクに泳げます。プールの途中で1〜2回立ちながら繰り返し泳ぐことで、息継ぎなしでクロールの大部分の技術をマスターすることができます。

○鼻と口を使い分ける
息継ぎが苦手な理由の一つが、鼻に水が入ることです。顔を横に向けている間は、常に鼻から水を出します。また口が水上に出るときには、表面張力により水がまとわりついているので口から強く息を出します。
写真のように片手を伸ばした姿勢で屈み、顔を回しながら「ンー」とハミングしながら鼻から息を出し、口が水面に出る直前に「パッ」と強く吐いて息を吸います。口で息を吸ったら鼻から息を出しながら顔を戻し、下を向いたら息を止めます。この「ンーパッ(吸う)ンー」を繰り返すことで、息継ぎに必要な鼻と口の使い分けを身につけることができます。

次回は息継ぎの姿勢や動作について説明します。

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