2014年6月10日
トータル・イマージョン代表 竹内慎司
ラン:5km
前回の8kmで足がつりそうになった。その原因は「指で地面を捉えようとしたため」である。指に力を入れた瞬間につりそうになったので、今回は逆に「指は一切力を入れない」走り方で走れるものか試した。

結果:私のスピードであれば、指に力を入れなくても問題はない。5分台にスピードを上げたければ、からだ全体の前傾とかかとの引き上げで対応できる。また指に力を入れると地面を下に押すことになり、これまで意識してきたことと相反するため、足に大きな負担がかかったこともわかった。

TIスイムは「かかない」「蹴らない」であるが、ChiRunningは「跳ばない」「蹴らない」である。指をリラックスさせたまま、跳ばない、蹴らないを意識して走った結果とてもラクに5kmを終えることができた。

スイム:37分
疲れや痛みの原因を考えるため、10分を3セット同じスピード、同じテンポ1.10秒で泳いだ。様々な道具を最低50ストローク続けて、そのときに発生する疲れや痛みを観察した。スピードはゆったり泳げる程度で、25mプールで16ストローク(22秒)ペースである。

・からだの回転のキレと押す道具
この程度のスピードであれば、からだの回転のキレを上げたり、押す道具を使うだけで十分である。これらはキックを必要以上に強く打つことに気をつければ、いつまでも使い続けることができる。ただし30ストロークを越えると感覚が鈍り効果も落ちてくるので、少なくともこの2つを交互に使うことが必要である。

・プルの型と撫でる道具
型は作るだけなのでよいのだが、撫で方に要注意である。300ストロークを越えた時点で肩の上側の感覚が鈍くなってきた。上腕の外側の疲れを予想していたが、それよりも肩の方が早かった。
対症法はプルのを作るときに肘の角度を鋭角(60度)にして、さらにゆるめて撫でる。ただし動きが速くなるので1.10秒では合わせにくい。1.00秒の道具に適している。

・弾く道具
弾くと加速が大きくなるため、今回のスピードではかなりゆるいはじき方であった。100ストロークを越えたあたりで腕全体が重くなってきたため、弾く自体中止して他の道具を使った。

・引っ掛ける道具
最も推進力のあるのがこの道具である。ただし疲れが出るのも早い。通常では今回のスピードの20〜40%増でこの道具を使うので、今回のスピードでは最初使い勝手がわからなかった。途中から後述する「加速しない」意識に切り替えることで、引っ掛けるときの腕の負担が激減した。

※劣化しない=加速もしないし減速もしない
これまでテンポやスピードを変えながらエンドレスプールで練習していた。今回初めてテンポもスピードも変えず、道具だけ変えて泳いだ。

泳ぎながら「その場にとどまるために最小限の加速と最小限の減速だけに絞り込むと、からだはほとんど疲れなくなる」ことに気がついた。前方下の鏡で頭の位置を観察すると、加速をすると頭が前方に動く。しかしそのままとどまることはなく、また後ろに下がる(5cm程度)。加速の道具を使っていると頭の動きはこの繰り返しになる。

試しに頭の位置が動かないように加速の道具を使うと、これまでの半分〜3分の1程度のエネルギーで済むことがわかった。頭の位置を動かさないために。次の2つを意識した。

  1. 1加速を抑える:加速の角を丸める(緩やかな加速にする)
  2. .減速を抑える:頭の位置が下がり始めるタイミングに合わせて別の加速を加える

つまり、加速しないように加速し、減速しないように加速するということである。

1については姿勢や動作を緩めることで対応する。2については動作のタイミングをずらす(例えばリカバリーの間にキャッチの型を作る。ただし引っ掛けない)ことで対応する。

頭の位置を変えないというのはエンドレスプールだけでできる練習であることから、今回日本に滞在している間できる限り様々なケースで体験して、体系化する。

練習後の気分:9(新しい練習で新しい視点が得られた)

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