2014年6月10日
トータル・イマージョン代表 竹内慎司
魚のように泳ぐためには、効率良く泳ぐことが大切です。効率良く泳ぐためには、「水の抵抗を減らす」、「重力を活用する」、さらに「前に進む力に集中する」の三つのポイントを意識します。今回は最初のポイントである「水の抵抗を減らす」ことについて、具体的なやり方を説明しましょう。

○水の抵抗はどこで生まれる?
プールに入ったら両手を前に伸ばして、顔を水につけた姿勢で床を蹴ってみましょう。最初は前に進みますが、次第に足が沈んで進みが遅くなり、最後は足が床について止まります。つまり下半身が沈んで水の抵抗が生まれているのですね。

人間のからだは空気をたくさん含んでいる肺が浮き、骨や筋肉の大きい(=重い)足が沈みます。足はキックで浮かせることができますが、ここで多くの人が疲れてしまい、ラクに泳げなくなります。それではキックに頼らず下半身を浮かせるにはどうすればよいでしょうか。

○水の抵抗を減らす技術
@下を見る

下を見て泳ぐと、陸上で立った姿勢と同じようにからだがまっすぐになり、下半身が浮いてきます。反対に前を見て泳ぐと頭が上がり、シーソーのように足が下がります。またあごを引いて泳ぐと頭の位置が深くなり、息継ぎできなくなります。頭の位置は、頭頂部(頭のてっぺん)に水面が来るようにします。なお下を見て泳いで下半身が浮いていると感じたら、前で泳いでいる人や壁にぶつからないように1m前を見るようにします。

A水面の30cm下に手を伸ばす
水中では、水面の30cm下に手を伸ばすようにします。手の位置を深くすると、手に体重を乗せることができます。そうすればシーソーの原理で下半身が浮いてきます。また手の位置を深くすることで、より多くの水を抱えて効率良く後ろに押すことができます。手を深い位置に伸ばすと、水の抵抗が増えると多くの人は考えます。しかし手が受ける抵抗より、はるかに大きいからだの抵抗を減らすことができるのです。下を見て、水面の30cm下に手を伸ばすことで、写真のように抵抗の少ない姿勢を作ることができます。違いはすぐにわかるので、ぜひお試しください。

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