2014年3月10日
トータル・イマージョン代表 竹内慎司

3月8日と9日の2日間、私は香港でワークショップを実施しました。ポーランド、マレーシア、台湾、シンガポールそしてアメリカからお客様が参加し、国際色豊かなワークショップとなりました。国籍、人種は違えど、目指す目標は全員「シンジのように泳ぎたい」です。お客様であると同時に道を究める同志と共に、とても楽しい時間を過ごすことができました。

私、パウエル、サンドラとカレン
サンドラとカレンは香港のコーチ

プリワークショップレベルのドリルを実験
私のワークショップは、新しいコンセプトやドリルを最終実験する場でもあります。今回の実験テーマは以下の2つです。
 −プリワークショップレベルのドリルの効果確認
 −ドライランドリハーサルの効果確認

まずプリワークショップレベルのドリルですが、スーパーマングライドという最初のドリルを行う前に、いくつかのステップを経ることで「リラックス」「前のめり感」「床の蹴り方とタイミング」、そして「立った姿勢から横になる動作」を理解するというものです。

これまではクラゲ浮きや正面倒れ込みドリルを行うことで、お客様にリラックスと前のめり感を理解していただきました。そして残り2つについて、今回初めて日本人以外に通用するかどうかをテストしました。結果としては大成功で、前のめり感と加速感のあるスーパーマングライドができるようになりました。

これらのドリルは非常にカンタンであり、少しの時間で試して効果を得ることができます。今後のワークショップの予習教材として取り入れて、ワークショップの効果をさらに高めることにしました。ご期待ください。

素振りの効果は予想以上
ドライランドリハーサル(素振り練習)は、DVDを制作する過程でより緻密になりました。ドリルのためのリハーサルから、クロールの動作を陸上で理解するためのリハ−サルに変わることで、水中で練習しなくても問題点の多くがわかるようになりました。

ドライランドリハーサルのメリットは、「自分で確認できる」ことです。クロールの素振りをやってみるとわかりますが、意外と何をしているか気にしないで手やからだを動かしています。動作を途中で止めたり、ゆっくり動かしたりすると何が起きているかがわかり、問題があればすぐに修正することができます。
そしてもう一つのメリットは、「説明を聞きながら動作できる」ことです。泳いでるとコーチの声さえ聞こえませんが、陸上なら一人でも、ビデオを見ながら練習することができます。

今回ドライランドに普段の倍以上の時間を使いましたが、増やした時間以上プールの時間を節約することができ、その分個別の問題点の修正や基準を高めることに費やすことができました。

全員で記念写真

美クロスイマーのレベルが上がる
今回驚いたのは、香港外から参加した皆さんのレベルの高さです。TIスイムを習ったことがあるとは言え、TIジャパンのカリキュラムはみなさん未経験です。それなのに入水姿勢や2ビートキックなどさまざまな動作や姿勢が日本式、シンジスタイルでした。

どのように練習したのか聞いたところ、私のビデオを1000回は見て徹底的に分析して、動作をまねしたそうです。大人になってから水泳を始めた方たちなので、相当練習したのでしょう。私はこれまで日本人が最も美クロに適していると考えていましたが、「道を究める」ことに人種は関係ないようです。これから世界中で美クロスイマーが増えるのが楽しみになりました。

ヨーロッパでも美クロ?
ポーランドのマスターコーチであるパウエルは、私の2年先輩です。最初はパートタイムとして始めたTIポーランドも、今ではフルタイム、契約コーチも12名ととてもアクティブです。

パウエルの話では、ワークショップに参加されるお客様の半数以上は「あのYouTubeのスイマーのように泳ぎたい!」と参加されるそうです。日本式のカリキュラムは彼にとって初めてでとても衝撃的だったようです。今年は韓国でワークショップを始めるべく準備していますが、近いうちにポーランドやトルコなど、ヨーロッパで私の美クロを紹介することになるかもしれませんね。

 ©Easy Swimming Corporation