2014年2月10日
TIスイム創設者 テリー・ラクリン

後数週間で私は60歳になりますが、これまで以上にスイミングに熱中しています。その理由のひとつは、アディロンダックマスターズ の60〜64歳の年代別で記録を樹立するという、明確な目標を持っていること。そして、2番目の理由は、ここ5年の間にかなりスピードが落ちてしまったことです。

1年前は、それによってやる気をそがれていたと思いますが、今は私の好奇心をそそっています。効率だけでなく、タイムにも集中することによって、パフォーマンス重視(またはマスターズ)の同年代のスイマーが持っているであろう疑問を検証することができます。「年を取ることによって避けられない能力の低下はどのくらいなのか。そして、トレーニングによってどの程度避けることができるのか。」

アメリカだけでなく、世界的にも、高齢者のスイマーが一番増加しており、そこから老化を遅らせる方法に関する貴重な手がかりを得られることが期待される今、年齢と運動能力の関係がとても注目されています。活動的な人は、そうでない人に比べて、老化が遅いと言われています。そして、能力向上のためにトレーニングしている人は、その中でも最も老化が遅いように思われます。

組織的な強化トレーニングには、献身と意欲が必要です。意欲は、向上の可能性とある種の力によってかき立てられます。意識的に取り組み、測定可能な形で老化を遅らせることができるという考えが力となります。

年齢とスイミングの能力に関しての研究はほとんど行われていませんが、本格的にトレーニングをしているランナーの何十年にもわたる調査と、年代別の記録の解析が行われました。それらによると、1マイルからフルマラソンまでの競技における能力は、25〜60歳で1年で約1%ずつ下がり、60歳以上では2%ずつ下がるという結果が出ています。

この5年間で私のスピードがかなり落ちたのは、単に年を取ったからかもしれません。しかし、過去4年間の私のトレーニングは、スピードよりも健康や楽しむことを重視したものであったのも確かです。なので、速く泳ぐために必要な神経的および身体的能力が欠けていたのも、理由のひとつであるかもしれません。

これから6ヶ月間は、2006年以来行っていなかった、スピードを重視したトレーニングを行う予定です。週2回、1回につき30〜40分、普段よりかなり肉体的にきつい練習をします。(注:単に心拍数を上げるようにするだけでなく、神経的能力をぎりぎりまで使用して、ストローク数とストロークの速度の系統的な向上を目指します。自分の神経系をこのように試すことによって、生理系も限界まで働かせることになります。)私の年齢では、このトレーニングの合間のリカバリもトレーニング同様に重要で、注意深く行う必要があります。
どのくらいの速さでリカバリできるかが、自分の能力がどの程度通常の老化に関連し、どの程度トレーニング方法に関連しているのかを知る手掛かりになります。これらを理解することは、私自身だけでなく、私と同年代の多くの人たちに役立つと思います。

さらに気づいたことは、スイミングの最盛期と言える25歳前後の時に比べて、速く泳ぐことに対する興味が薄れたことです。それよりも、私の年代におけるニーズと課題に対してはるかに関心を持っています。この想いは、私が70代、80代になっても続くでしょう。こう思うようになったことは、特に不思議に感じてはいませんし、極めて個人的なことです。しかし、人は皆年を取るので、重要なことであるとも感じています。まさしく、人間の潜在能力の最先端であると言えるのではないでしょうか。

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