2013年7月10日
TIシニアコーチ 吉野功哉
「アイアンマン70.3世界選手権」ってなに?

「アイアンマン(Ironman)」とは世界で開催されるトライアスロンレースの大会名称です。スイム3.8km・バイク180km・ラン42kmで争われ、毎年10月にハワイ島コナで世界選手権が開催されます。
「アイアンマン70.3」とは、アイアンマンの半分の距離 スイム1.9km・バイク90km・ラン21km 合計70.3マイルで争われ、毎年9月にレイクラスベガスで世界選手権が開催されます。
上記二つの出場権利獲得は、トライアスリートにとって一種のステータスでもあり、世界各国で熱い戦いが繰り広げられています。
私が出場した「アイアンマンジャパン70.3」では、年代別上位に入ると両方の出場権利が得られます。
年代別の出場者数に応じてスロット(出場権利数)は振り分けられ、私の出場した40-44歳区分は258名がエントリーし、ハワイのスロットが3。ラスベガスが2、といった数ある年代の中でも激戦区。
年代別1位から権利が得られるのですが、都合で出場しないという方もいます。そうなった場合次の順位の人に権利が降りてきます。
どちらにしても非常に狭き門であることに変わりはありません。

吉野コーチ、世界選手権出場への道のり

私は自転車競技部に所属していた学生時代に、トライアスロンに興味を持ちました。
当時は体育の授業で習った程度しか(100m以上泳いだ事がなかった)泳げなかったので、スイミングスクールに就職してインストラクターになれば会社で教えてくれるだろうと思い、卒業後スイミングスクールに就職。
一年間水泳の練習を重ね、初めてトライアスロンに出場したのが1991年。以来22年競技を楽しんでいます。

苦手意識のあったスイムですが、スイミングスクールに就職したおかげでひと通り(4種目)泳げるようなりました。
初めて出場したレースでは、どこを泳いでいるのか分からずクロールを20ストロークしたら平泳ぎで前方を確認する、という事を繰り返してなんとか泳ぎ切った記憶があります。
TIを知ったのは確か2005年。
トライアスロン雑誌に載っていて知りました。その後ワークショップに参加して、このメソッドを広めたいと思いTIに合流しました。
TIに出会う前はひたすらインターバルを繰り返す練習を行っていたのですが、現在はドリルも取り入れるようになった事で、年齢を重ねても泳力が落ちるどころか速く泳げるようになっています。

トライアスロンを始めた頃は、「いつかハワイのアイアンマンに出場出来るだろう」と思っていたのですが、現実は厳しく未だに出場経験はありません。
アイアンマンは過去に三度出場した事があるのですが(最後に出場したのは2002年)、ハワイにはほど遠く、「ハワイの出場権利が取れそうになるまでアイアンマンには出ない」と決めて、出場は控えていました。
その後毎年出場している宮古島大会でコンスタントにシード権(100位以内)を取れるようになってきたので、今年11年振りにアイアンマンに挑戦する事にしました。
目標はワールドチャンピオンシップの出場権を取ること!

4月の宮古島大会が終了して1週間程休み練習を再開しました。目標のタイム、強度を設定して、そのペースで練習を行います。
私が普段の練習で意識している事はレースペースでの強度と動きです。どう意識したら強度を下げられるか、またどこを意識したらペースを維持しやすいか などをいつも考えながら走ったり泳いだりしています。
また、3種目とも大きく分けて 現状をキープする練習と、現状より向上させる練習に分けて、うまく組み合わせながら行っています。こうする事で短時間で効率よく練習する事が出来ます。

勝負をかけた レース当日

目標はスロット獲得なので、最低でも年代別で10位以内には帰ってきたいところ。バイクコースはフラットなので差がつきにくいと考え、スイムからいい位置で上がりそのまま行けるとこまで行く、 というレースプランを立てました。
で20位前後…
バイクに移ったが予想通りの大混雑。フラットで周回コースという事で混雑は予想していたので転ばないようにだけ気をつけました。バイクフィニッシュ時で10位前後まで上がりランへ。ランニングは苦手なのであとは粘るだけ。
13kmあたりまで好調だったのだが、後半になってきて脱水状態になり目がチカチカしてきました。そこから失速して数人に抜かれたが何とかフィニッシュ。結局年代別11位でした…
ゴール後は初めて救護ベットのお世話になりました。

ゴール後数時間でスロット獲得者の発表が行われます。年代別に発表され確定している人は別室で参加費をドルで支払います。
すべての方の手続きが終了した後、ロールダウン(繰り上げ獲得)の発表です。先にも述べましたがスロットを獲得しでも都合で権利を放棄した数と、その権利が回ってきた人の発表があります。
権利が回ってきてもその場にいないと放棄とみなされ、次の人にどんどん権利は回っていきます。久しぶりにドキドキしながらロールダウンを待ちました。
私の前にゴールした外人さん達や数名の方々はハワイにもベガスにも行かないという事で、私の順位まで権利が降りてきてくれて、ついに、初めてワールドチャンピオンシップの出場権を獲得できました。
ちなみにこの場合も参加費はこの場で支払わなければなりません。即決断です。

やはり目標はハワイのアイアンマンなので、まずはラスベガスで満足行く走りをして、また来年以降ハワイに挑戦していきたいです。

世界選手権は9月8日。応援よろしくお願いします!


吉野コーチのラスベガス出場まで、TI流の効率よいトレーニングの様子をブログで公開していきます。

また、まもなく吉野コーチによる「TI トライアスロンカレッジ」の受講生募集が始まります。
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