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グアムスピードアップキャンプ参加メンバー
(左から岡城さん、前島さん、藤田さん) |
オーストラリアで2013年2月23日に実施されたロットネスト海峡スイムの4人リレー部門で、唯一の日本人チームとして完泳したのがチームフジタのみなさん。偶然にもチームメンバーのうち藤田さん、前島さん、岡城さんがグアムのスピードキャンプに参加されました。そこで海峡スイムを成功させるまでに至った経緯についてお聞きすることにしました(竹内)。
○ロットネスト海峡スイムとは
西オーストラリア州の州都パース郊外にあるコテスロー海岸をスタートし、沖合20kmにあるロットネスト島を目指す海峡横断レースです。1人で横断するソロのほかに、2人でリレーをして泳ぐデュオ、4人でリレーをするチームという3つのカテゴリーに分かれています。1991年に初めて公式大会が開催されて以来、700人以上のソロスイマーが横断泳に成功しています。毎年2000人以上が参加する、南半球では最大のオープンウォータースイムイベントです。
(以下藤田さん:藤、前島さん:前、岡城さん:岡、竹内:竹)
竹:ロットネスト海峡スイム完泳おめでとうございます。
三人:ありがとうございます。
竹:早速ですが、海峡スイムにチャレンジした経緯について教えてください。
藤:私はトライアスロンをやっているのですが、オープンウォータースイムにも興味を持っていました。偶然トータル・スイム・マガジンで平山コーチが海峡スイムをソロで完泳した記事を読んで、これだ!と思って海峡スイムの日本事務局である海人くらぶの大貫さんにコンタクトしました。海峡スイムではリレーで完泳を目指すことになり、トライアスロン練習仲間の岡城さんや友人の大山さんを誘いました。大貫さんに聞いたところ「一人興味をもっている方がいる」ということで、前島さんを紹介してもらいました。
前:大貫さんには2012年のTIスピードアップキャンプのOWS検定をしていただいた経緯もあり、彼女からロットネストについて前から誘われていました。ソロではちょっと難しいなと思っていたところ、リレーでやろうとしている人がいると聞いて参加することにしたのです。その後でわかったのですが、藤田さんと岡城さんとは2012年10月の美クロワークショップで一緒でした。
竹:午前2時半までレッスンのあった、あの「地獄の美クロ」ですね?
岡:そうです(笑)。そのときはまさか一緒にオーストラリアで20kmを泳ぐとは思っていませんでした。
○長距離スイムの経験は?
竹:みなさん長距離スイムの経験はあったのですか?
藤:私はトライアスロンを始めようと思った2年前に水泳をTIスイムで始めました。水泳歴=TIスイム歴=2年です。長距離スイムとしてはトライアスロンの大会で泳ぐ程度です。
岡:私は2年前まで泳げませんでした。藤田さんにトライアスロンに誘われて水泳も始めることになり、東京に出張する度に船堀のTIスイムサロンでレッスンを受けて1.5km泳げるようになった程度です。
前:私は中学校で水泳をやっていましたが、トライアスロンを4年前に始めてからスイムも練習するようになりました。TIスイムはテリーが来日したときのワークショップに参加して以来練習しているので、2年になりますか。長距離スイムとしてはロングのトライアスロン(3.8km)に積極的に参加しています。またオープンウォータースイムの大会にも参加しています。
○準備、そして戦略は?
竹:次に準備から当日までについて聞かせてください。藤田さんが北海道、前島さんが東京、岡城さんが沖縄にお住まいなので、日本で合同練習する機会はなかったのですね。
藤:各自が「普通」に練習していました。
岡:リレー形式ということもあり、1人が連続して泳ぐ時間は10分程度です。10分続けて泳げればよいと考えれば、それほど特殊な練習は必要ないと思います。
前:結局メンバーが顔合わせしたのは、大会2日前に現地で集合したときでした。
藤:住む場所が異なるので、飛行機も全て別でした。現地集合、現地解散です。その代わり現地ではコンドミニアムを借りて、かなり濃密な時間を過ごしました(笑)。
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カヤックについて泳ぐ Photo by John McColl |
前:海峡スイムは通常のOWSの大会と異なり、リレーメンバーの乗る船とカヤックが泳者毎につきます。第一泳者はスタート後1.5km泳いでからこのカヤックと合流します。このためカヤックのパドラーや船長とは事前によく打ち合わせをする必要がありますね。
竹:なるほど。第一泳者は多くのパドラーの中から自分たちのパドラーを探して合流しないと先に進めないのですね。
前:いくつかのウェーブ(グループ)に分かれてスタートしましたが、1ウェーブあたり100人ぐらいが一斉にスタートします。1.5km先には100艇のカヤックが待っているので、探すのが大変でした。
竹:スタートしてからはどのように交替して泳いだのですか?
前:スタート直後はパドラーと合流するまでの1.5kmを一人で泳ぐ必要があるので、私が担当しました。その後は10分程度で交替して泳ぎました。前半はこのやり方でスムーズに行きました。しかし後半は潮の流れが逆行してスピードが落ちました。海峡スイムは時間制限があり、この制限に間に合わない可能性も出てきたので、5分交替にして一生懸命泳ぎました。最後の2kmは船がゴールに近づけないこともあり、全員で泳ぎました。
藤:結果は9時間21分で、なんとか制限時間以内に泳ぐことができました。
竹:よかったですね。実際にやってみて予想していたことと違っていたのはどんなところでしょうか。
藤:船酔いです。船は「泳者に合わせてゆっくり進む」ということができないので、低速で進んでしばらく止まるということを頻繁に繰り返します。船上では自分の出番が来るまで30分待つことになるので、この船の動き方は堪えました。チームの一人は完全にグロッキー状態でした。
前:船で結構「きている状態」なのに加えて、泳ぐときもうねりがあってかなり厳しかったです。
岡:私は元々船酔いに強くなかったので酔い止め薬を飲んでいて助かりましたが、日焼けが厳しかったです。残り3分の1では日焼けによる苦痛との戦いでした。
藤:考えていた以上に日差しがきつかったですね。地元の選手達は「バカ殿」のように真っ白に塗っているのをみてバカにしていましたが、過剰な防備ではないことが後でわかりました。唇も含めて日焼け対策は大切です。
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ゴールに向かう前島さん |
○20kmを泳ぐときの泳ぎ方は?
竹:グアムキャンプでもせいぜい90分ですからね。8時間も直射日光にさらされるだけで疲れると思います。泳ぎ方について何か意識したことや、得られたノウハウはありますか?
藤:うねりが大きいと一気に後ろに戻されることがあり、大変あせりました。おそらく空回りしていたと思います。このような場面でも冷静に対応できるようにすることは必要ですね。
岡:目標物があるわけではなく、カヤックについて泳ぎます。一見簡単そうですが、カヤックは動いているので距離を空けずについて泳ぐのは結構難しかったです。自分ではどの方向に進んでいるかすらわからないので、カヤックのまわりをぐるぐる回るなんてこともあったようです。
前:泳ぎ方について言えば、後半潮が強くなってきてからは水を抱えることとフィニッシュをかなり意識しました。1ストローク1ストローク確実に前に進むようにしました。
藤:栄養補給の点では、おにぎりを持って行きましたが水中では食べにくかったです。ジェルのような補給食を持って行った方がよいですね。
竹:海峡スイムを体験して、今後はどのような目標を立てましたか?
藤:来年もぜひ海峡スイムにチャレンジしたいですね。いろいろな経験を活かすことで次回はデュオを狙っています。
岡:オープンウォータースイムについて自信が持てたので、ロングのトライアスロンに挑戦したいです。
前:今年は7つのロングのトライアスロンの大会に参加します。将来的にはトライアスロンが年齢的に厳しくなると思うので、オープンウォータースイムを楽しみたいですね。
竹:ありがとうございました。
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