2013年1月10日
TIスイム創設者 テリー・ラクリン

トータル・イマージョンでは、頭を真っ直ぐ、そして低く保ちながら、クロールで息継ぎをするための技術を習得する、3ステップレッスンを行っています。これらの動きを、私たちは Nod(うなずく)、Whale Eye(クジラの目)、そして Hooked Whale(ひっかかったクジラ)と呼んでいます。これらの技術を取り入れることによって、初心者、経験者にかかわりなく、多くの人が楽に息継ぎを行えるようになりました。しかし、最近Discussion Forum で息継ぎに関するスレッドが挙がり、もっといい息継ぎの方法があると、こんなコメントが投稿されました。

「息継ぎを一番楽にするのは、スノーケルを使って泳ぐことだと思います。こんな楽な物があるのに、どうしてわざわざ面倒な技術を習得しなければならないのでしょう。」

TI コーチ スザンヌ・アトキンソン の回答 TIコーチがこれらのドリルを毎回行うのには理由があります。 自分の泳ぎに磨きをかけ、向上させることはもちろんですが、ドリルは楽しんでできると同時に、新しい発見を与えてくれるからです。退屈することはありません。いつも楽しくエキサイティングなものです。ですから私たちコーチはドリルを行うのです。

とにかくやってみて、自分で体験してください。

水泳は、目的(1マイル泳ぐ、1マイルをもっと速く泳ぐ、カロリーを消費する等)を達成するためのアクティビティであるだけでなく、豊かで実りのある人生を送るために役立つものでもあります。

20年前、TIワークショップの参加者にオイゲン・ヘリゲルの『弓と禅』を勧められました。その本の中で記憶に残り、私を意外な方向に導いたのが、「禅の射手は、的を射るために練習しているのではないのです。自己を知るために行っているのです。」という文章でした。私たちがドリルで行っている息継ぎの練習をすることによって、息継ぎが楽になるのはもちろんですが、それだけでなく、スザンヌが「楽しい」と表現しているように、超越の瞬間も生み出すことがあるのです。

息継ぎが楽に、シームレスにできるようになった後でも、多くのスイマーはNodding、Whale Eye、そしてHooked Whaleなどの練習を行います。それは、普段のスイミングでは見逃してしまうような感覚の深い認識(悟り)を得ることがあるからです。

別のケースでは、Noddingをしている時に、表面の裏側を知ることに魅了される時があります。固定観念に拘らないで、「感じる」ことが大事なのかもしれません。

Noddingでは、横を向きますが、息継ぎはしません。

Whale Eyeを行っている時に頭の横をよぎる波の動きに注意を向け、水の抵抗や流れの原動力を考えてみてください。息継ぎの時、ゴーグルの前を横切る水の流れはどのように見えますか?

Wale Eyeでは、ゴーグルの片方だけ出して水面上を見ますが、ここでもまだ息継ぎはしません。

私はこのように練習して、さらに技術を磨いて、効率良く泳ぐことを目指しています。私は47歳ですが、水泳が与えてくれる果てしない発見と向上の機会に、未だに期待を膨らましています。

そして、偶然ではなく、他のスイマーが知らない果てしなく続く技術の向上によって、私は今まで数え切れないくらいの若くて強い(しかし無駄な動きが見られる)ライバルを負かしてきました。

しかし、私の一番の原動力は好奇心です。それによって私は健康を保つことができ、絶えず技術を向上させることができるのです。そして私がドリルを続ける最大の理由は、他の何よりも強い幸福感をもたらしてくれるからです。

もっと楽に息継ぎをしたい、もっと楽しく練習をしたい、と思われたら、是非こちらをご覧ください。
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