2012年7月10日
TIスイム創設者 テリー・ラクリン
 シンジのYouTubeのビデオが世界一になりました。シンジ、おめでとう!
私は23年間トータルイマージョンを教えてきましたが、これほど幸せな事はありません。それと同時に彼がどのようにしてYouTube世界一有名なスイマーになったのかを、皆さんに伝える必要があると考えました。
「私はただの中年スイマーです。けれどいつもカイゼンしています。」というシンジの取り組み方は、彼の泳ぎ方同様に皆さんの参考になるでしょう。

テリー:なぜ水泳を始めようとしたのかな。またどうやってトータルイマージョンを見つけたんだい?

シンジ:カリフォルニアに住むようになってから、車社会だったので歩くこともなく、また特に運動もしなかったので激太りしたんです。糖尿の家系だったので、医師の先生からは、運動して減量しないと間違いなく糖尿になると警告されました。

 私は運動がとても苦手で、できるものといえば小学校のときに習った水泳しかなかったので、水泳はじめることにしました。今から10年前、37歳のときです。

 最初プールで泳いだとき、苦しくて、疲れてほとんど泳ぐことができませんでした。そこで正しいやり方を学ぼうと思って、ビデオを購入することにしました。

 私は平泳ぎが得意だったので、インターネットのショップで平泳ぎのビデオを探しました。いろいろ並んでいたのですが、同じような価格帯で、一つだけ平泳ぎとバタフライの両方が収録されているビデオがありました。これはお得!と思い、そのビデオを購入しました。それがトータル・イマージョンのビデオだったのです。TIのwebサイトには行ったことがなく、またビデオを購入した後も行こうとは思いませんでした。

テリー:減量目的に始めた水泳が、なぜ日本でTIスイムを始めることに至ったのかな?

シンジ:やはりその効果です。最初はドリル練習が大変辛く、またその意味もよくわからなかったのですが、1ヶ月がすぎると平泳ぎとバタフライの両方がラクに、上手にできるようになっていました。そして水泳が楽しくなり、毎日泳ぐようになった結果減量にも成功しました。

 次にクロールに取り組みました。最初は背浮きでたくさん水を飲みましたが、これも1ヶ月でラクに泳げるようになり、周りの人に泳ぎがきれいだと声をかけられるようになりました。

 そして私の変化を見て興味を持った友人に、教えて欲しいと頼まれました。彼は最初25ヤード(22.5m)が泳げなかったのですが、カンタン・クロールのドリルをそのまま教えるだけで、4回のレッスンの後には40分続けて泳げるようになったのです。これは驚異的でした。

 そこで私はTIスイムを日本に広めて、みなさんにラクに泳いで健康になってもらいたいと思って、TIジャパンをはじめたのです。

テリー:美しく泳ぐということを意識したのはなぜだろう?

シンジ:まず自分の経験から、TIスイムはラクに泳げるだけでなくきれいに泳げることがわかりました。そしてTIジャパンを始めるにあたり、大人になってから水泳を始めた方をメインの顧客層と想定して、その方たちにアピールするために、「ラクに泳ぐ、きれいに泳ぐ」コンセプトを前面に出しました。

 そして私自身はTIスイムの生き証人として、「世界一美しく泳ぐ」という目標を立てました。当時は世界一を判断するための指標がなかったのですが、「完璧を目指す」ために努力しました。普段の練習はもちろんですが、日本に出張する度に松戸のスイムサロンで自分の泳ぎを録画し、コマ送りで分析して、納得いかない動作や姿勢、タイミングを3,4時間かけて直しました。仕事は昼間に行い、自分の練習はいつも午後10時過ぎから始めていました。
 競泳の経験のない、中年の私が美しく泳げれば、誰でも私のように泳げると考え、TIスイムを試してもらえるだろうという信念が、ある意味このようにハードな練習の動機付けになっています。

テリー:「世界一美しく泳ぐ」という目標を立てたことは、とてもビジョナリーだと思うよ。そんなことこれまで誰も考えたこともなかっただろうね。今や誰も追随できないほど、非常に高い基準を作ったと思うよ。YouTubeを世界一の指標にしたきっかけは何だろう?

シンジ:それまで周りの人やお客様には「きれいですね」と言われていましたが、まだ不安でした。スカイフィットがオープンする前日、プールを試す機会があったので、高橋コーチに撮れそうなアングルを全て撮影してもらいました。そして音楽のないあのビデオのショートバージョンを作り、スイミング協会の講師に招かれたときに現役コーチ、インストラクター100人の前で披露したのです。そのときにあるコーチが、「あんな風に泳ぎたいので、DVDを買いました!」と声をかけてくださったのです。これで日本ではプロも認める泳ぎになったのだと確信しました。

 次にこの泳ぎを世界はどのように見ているかを確かめるために、YouTubeに英語の説明を入れ、アップテンポの音楽をつけてアップしました。最初は緩やかな増加でしたが、様々なところで紹介されるうちにアクセス数がどんどん増えました。コメントや質問にも積極的に答えるようにしました。その結果さらにアクセス数が増え、日本で一番になった頃から、世界一の指標をYouTubeのアクセス数という客観的なものにしようと決めました。

テリー:世界一を達成した次の目標はなんだろう?

シンジ:美しく泳ぐことと速く泳ぐことは両立できない、美しく泳ぐことと長く泳ぐことは両立できない、と言う人がいます。私は今、長い距離をスピードを上げて泳いでもフォームを崩さない、「長い距離を美しく速く泳ぐ」ことができるように練習をしています。距離と速さの指標としては日本のOWS検定の一級である1500mを22分30秒を目指していますが、美しさを維持するためストローク数の変化を最小限にすることも意識しています。

テリー:テンポとストロークのコントロールの精度をさらに上げることになるね。達成できることを祈ってるよ。

シンジ:ありがとうございます。

 ©Easy Swimming Corporation