パリのTIスイマー、マシューは私のスタジオを訪ね、エンドレスプールで一週間を過ごしました。
マシューは「Self-Coached Workshop DVD」を観て、驚くべき上達を遂げていました。バランス・安定・ストリームラインは申し分なく、また身体全体を連動させて泳いでいました。
TIコーチのアリス・ラクリンは、これらに更に磨きをかけ、そこから私がカイゼン・スキルの指導に入りました。
<火曜日>
まず、リカバリー・入水の微調整を行いました。これは非常に繊細な調整です。
すると、キャッチに変化が現れました。水を捉え損なってかき回すのではなく、確実に身体を前に進ませることができるようになったのです。
私たちは一連の動作(Elbow Circle / Draw a Line / Mail Slotの3つ)のリハーサルを行いました。(注:「Self-Coached Workshop DVD」のレッスン7にあります。)
フォーカルポイントを設定しリハーサルで得た技術、それを泳ぎながら試したのです。
10分間練習したら、マシューは『Elbow Circles』ができるようになりました。次に『Draw a Line』を取り組みました。マシューはこれもできるようになりましたが、先に行った『Elbow Circles』はできませんでした。
『Mail Slot』をやった時も、同じです。キレイに入水しましたが、その前に行った2つのことは、それほど意識できた様子ではありませんでした。
これについてマシューは心配した様子でしたが、問題視する必要はありません。
まずは、これらの技術を個々に練習し続けましょう。技術練習の積み重ねにより、脳へ『技術』が伝達されます。そして他のことに取り掛かった時に、伝達された技術はより強いものとなります。
<水曜日>
レッスン開始時に、マシューが言いました。「昨日習ったことが夢にまで出てきたよ!」
私は答えました。「よくあることですよ。」
習いにきたスイマーは、ほぼ確実に言うことですから。新しく習ったことに心を奪われると、それについて夢を見ることがあるのです。
さて、レッスンではどうなったと思いますか?
エンドレスプールのスイッチをいれると…ほら!
マシューが苦労していた3つのスキルの同時展開が、できたではありませんか。それらは滑らかに一つの動作につながっていました。まるでアレクサンダー・ポポフや、孫楊などのオリンピックスイマーのようです。(10〜12ストロークは・・・ですが。)
次に、脳の研究者たちの観察記録(ねずみの脳を観察した結果)を紹介します。
ネズミが、ご褒美のチーズをもらうために迷路から脱出しようと頑張っている間、その脳波をスキャンしているディスプレイは「寝ている状態」と同じパターンを示すのだそうです。
脳が「問題を解決している」と認識すると、寝ている時と同じ信号に変換し続ける、と科学者はいいます。
ちなみに、その「認識」する方法ですが、集中し、繰り返し動作すること、だそうです。 |