2012年6月10日
TIコーチ 山口 工(やまぐち たくみ)
山口コーチ

 こんにちは。
 TIコーチ・柔道整復師の山口です。

 今月は5月号でお話しした「2つの対策」についてもう少しお話します。その前に、「2つの強度」についてのおさらいをします。

<運動強度と身体強度>

■身体強度
 これについては前号ですでに登場しましたが「身体の丈夫さ」ということです。

■運動強度
 スポーツ業界では頻繁に出てくる「運動強度」ですが、一般にはあまりなじみのない言葉かもしれません。
 「強度」の言葉が意味するとおり、キツイ運動かラクな運動かという度合いを表すものですが、ここに落とし穴が潜んでいます。その「運動強度の『落とし穴』」とは?
 運動強度を「運動自体の強度」としか捉えずに行ってしまうと、この落とし穴に落ちてしまうことがあります。運動強度という言葉には、「運動が身体に与える負担」という意味も含まれていることをお忘れなく!

 ちなみに水中運動の「身体に与える負担」は小さいでしょうか?大きいでしょうか?
 答えは…水中運動は、大きな負担がかかる運動なんです。

 水中では浮力によって体重を支えることから、重力からは開放されますが、普段生活をしている空気中の何百倍もの抵抗を受けます。そのため少し身体の向きが変わるだけで、大きな負担を生むことがあります。
 これを無理に続けると故障や怪我に繋がります。

<さらなる2つの対策>

1) 運動のことをよく知る
2) 自分の身体のことをよく知る

 トータル・イマージョンのスイムサロン船堀では、水泳という運動を熟知しているコーチ陣とともに、自分の泳ぎを見ながら最善の泳ぎ方を見つけていきます。
 またその人に合ったメニュー提案や、目標への道筋の提示などもしていきます。

 また私は同所で施術を行っており、歩く姿や身体の動きを見ながら、身体機能を取り戻す治療をしています。
 施術や検査をすることで、初めて自分の身体の機能低下に気付く人は多くいます。
 自分の身体の状態に気づかず毎日の習慣を続けてしまうと、知らぬ間に問題が悪化していることもあります。

 自分の泳いでいる姿や歩いている姿を、自分で見る機会は普段あまりありません。ましてその姿を分析して改善するということは、なかなか一人ではできないと思います。

 そのために、コーチ・トレーナー・メディカルサポーターなどがいるわけです。気づきにくいものだからこそ、このような人達とコミュニケーションを取りながら協力して見つけていくのです。

 より良いスポーツライフを送るためにも、皆さんの周りにいるこのような人達と密なコミュニケーションをとってください。

 連載開始から2回続けてカラダの話をしましたので、来月は水の話をする予定です。

 ではまたTSM7月号でお会いしましょう。

 ※この連載について、ご意見・ご感想または水泳と健康にまつわるエピソードなどありましたらこちらまでお寄せください。お待ちしております。
 

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