2012年5月10日
TIシニアコーチ 奥村知実
奥村コーチ

 皆さん、こんにちは。
 トータルイマージョンの奥村です。

 トータルイマージョンでは、手や足で進むのではなく「体幹」で泳ぐことを指導しています。
 そのため、手や足の強化・耐久力アップだけに意識がとらわれないように、プルブイやビート板などの道具を『使わない・頼らない』練習をお勧めしています。

 しかし今回は、あえて道具を利用し、自主練習中の自己修正力を高め、より上達する練習方法を紹介します。ある部分に意識を持ち、道具をうまく利用して練習することで、
 ■バランス感覚
 ■間違いに気付き修正する能力
を磨くことができるのです。

 まずは、指導中に気になる共通の課題を挙げます。
 種目は背泳ぎです。

<問題点と原因>
1) 基本姿勢と前後の重心バランスの崩れ

  →頭が持ち上がることで背中が丸くなり、腰が引けて下半身が下がる

2) 左右のバランスと軸のブレ
  →どちらか片方の手の入水幅が狭く深いので、体の回転角が大きくなり沈む

 多くの方が共通するこの2点の課題・・・。バランスや軸のブレです。
しかし、バランスや軸がブレることを感じる(感覚)よりも、フォーム(形)に意識がいっているように思います。
 体を動かしやすい方向や感覚をじっくり探り磨くことで、結果的に形も良くなります。

 上記の2つの課題を一度に意識し、カイゼンできるのがビート板を利用したドリルです。

<得られる効果>
1) 基本姿勢の修正
 ビート板(大)を後頭部の下1/3から肩甲骨辺りに当て背浮きキックを行う。この時にビート板が水面と水平になるまで、後頭部を押し付ける意識をする。すると前重心になり胸が開き、下半身が浮いてくる。
 ビート板に浮力があるので、押し付け感がなくなるとビート板が斜めになり飛んでいく。
  →バランスの崩れを教えてくれる。

2) 手の入水幅と回転角度が自然と決まる
 1)で基本姿勢を作り、姿勢を崩さずに手を動かしていく。ビート板の浮力により姿勢が矯正された状態で、いつも通りのリカバリーで手を耳の横に持っていっても、手が水中に入らないのがわかる。そこで手を深く入水させると、体が勝手に回転しすぎて縦になってしまう。すると軸がブレて、ビート板が飛んで行く。
 つまり、ビート板が飛んでいかない様に泳ごうとすると、手が着水できるポジションが自然と広がり入水幅も定まる。そして体の回転角度・力加減も自然と決まる。
 →自己修正力が働きだす。

 前後左右のバランス感覚が磨かれたところで、同じ意識を持ちスイムにつなげてみましょう。
 『軸が安定』『前重心になる』『手の無駄な力がなくなる』ことで、エネルギーを使わずラクに泳げると思います。

 試してもよくわからない場合は是非メールで質問、もしくはレッスンにいらしてください。
 お待ちしています☆

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