2012年4月10日
静かな向上心(TIシニアコーチ 塚本恭子)
塚本コーチ
 こんにちは。
 トータルイマージョンシニアコーチの塚本です。

 テリーから、「コラムを交換しよう!」と言われて、ブログへ寄稿しました。これは、その記事のパラレル・ストーリーです。

 記事では、80歳の誕生日を迎える前に、目標だった50mを止まらずに泳げるようになった中川とし子さんについて紹介しました。

 ここでは、もう一人のレッスン仲間の大熊俊一さんを紹介します。
 大熊さんは、67歳。普通に生活していたら知り合う接点のない二人ですが、3年前にTIレッスンで知り合ったそうです。
 私がレッスンを担当するようになった頃には、二人はすでに25mは泳げるようになっていました。
 大熊さんはリハーサルを繰り返し、理解したことを言葉で確認するので、確実にしかもあっという間に上達していきました。
 一方の中川さんは、元々器用なたちなのか、反復動作で覚えるというより、言われたらスッと対応することで上達していきました。
 どちらが優れている・・・というのではありません。自分のやり方を知っていたのが二人の上達がはやかった所以です。

 ただ中川さんは、力は強くありません。体力があれば力で解決してしまうような問題も、体が指導されたように動きはじめるのを辛抱強く待っているのです。
 この「辛抱する」のが、たまに「できない」という解釈に代わってしまうことがありました。
大熊さんはこれを理解していて、中川さんをさりげなくリードするのです。

 大熊さんは、中川さんがいつ水泳を始めたのか、自分の年齢や体力など関係なく、確固とした目標を持っているのを知っていたのだと思います。きっと大熊さん自身もそうであり、それは「誇り」とも、言い換えられると思います。

 あの時、大熊さんは25mの壁で待っていました。「いつもは続けて泳ぐのに、どうしたのかな?」と見ていると、中川さんが25mに到達したときに、クイっと顎をあげて「ハイ、行くよ」と声をかけたのです。
 このことを中川さんが覚えているかはわかりません(本人は必死な様子でしたから)。
 でもあの瞬間、水泳によって結びついた二人の気持ちと自分に甘えることなく貫いた誇りが存在したのは事実です。

 年齢や性別に関係なく向上心を持つのは、実は勇気がいることだと思います。それは精神力と同等の結果を望めなくなるからです。しかも、真っ先にそれに気付くのは自分自身という現実。
 私も37歳になり、若い世代とのギャップを感じます。でも二人は年齢を重ねるからこそ得るものを見せてくれました。ストレスや不安を補ってあまりある精神力が勇気となり、理性が働く余裕が生まれる。
 二人の持つ、静かだけど熱い向上心を羨ましく思います。

  
TIジャパン選手・育成クラス活動記録(TIジャパン 永瀬利得・中村大輔)
中村コーチ

 TIジャパン選手クラスマネージャー兼、選手育成クラス担当の中村大輔です。いつもご覧いただきありがとうございます。
 今回は2つの大会をレポートします。
 年度末の大会ということで、どちらも大盛り上がり。記憶にも記録にも残る結果を得られました。
 応援して下さった方々、誠にありがとうございました。
 これからも宜しくお願いします。

<2012年度東京都小中学生ジュニアスプリント水泳大会>
 開催日:3月17日(土)-18日(日)
 会場:東京辰巳国際水泳場(短水路)

 いずれJOで活躍することが期待される低学年の子や、惜しくもJO本大会の切符を手にできなかった子達が悔しさをバネに挑む大会です。
 競技は50mの4種目と、100m個人メドレーのみが行われます。TIのルーキー達はこの日に照準を合わせ、最高の結果を出すことを目標にしています。
 毎年この大会で辰巳デビューをする子が数多くおり、今年も1名いました。

 今回特筆すべきは2名選手が大会新記録を出したことです。天野由花子(当時小6)はここ最近の試合ではレースの度にベストを出しており、2012年ブレイクの兆しを見せています。

 もう1人、浅田慶子(当時中3)は100m個人メドレーで1秒以上のベストを出し、本人も驚きだったことでしょう。長らくスランプだったバタフライも自己ベストタイのタイムを出し、迷路を脱しつつあります。
 参加クラブ、出場者数共に東京都の試合もトップクラスに入る大会で、雰囲気に圧倒されてしまった選手もいると思いますが、この経験は後に大きな糧となるでしょう。
 この先は学年や年齢区分が1つ上がって、ハードルが高くなる選手もいます。彼らもJO組には負けていられません。気持ちを新たに共に頑張っていきましょう!

<競技結果> 青字は自己ベスト
優秀選手賞受賞
浅田慶子 天野由花子

細川 陽平 50m自由形 37.75 50m平泳ぎ 47.19
野口 栄典 50m自由形 31.79 100m個人メドレー 1:23.27
国分 優剛 50m自由形 32.59 100m個人メドレー 1:19.62
橋本 陽向 50m背泳ぎ 37.53 50m平泳ぎ 43.13
黒田 翔太 50m平泳ぎ 53.96 50mバタフライ 50.53
岩崎 優 50m平泳ぎ 48.58 50mバタフライ 47.12
西村 良哉 50m平泳ぎ 38.15 100m個人メドレー 1:18.29
細澤 響 50m平泳ぎ 35.20 100m個人メドレー 1:07.35
細川 大介 50m平泳ぎ 32.75 50mバタフライ 27.58
川口 海宇 50m自由形 39.61
坂本 実希 50m自由形 28.58 100m個人メドレー 1:10.02
天野由花子 50m自由形 28.96 50mバタフライ 30.93
川口 海央 50m自由形 29.25 50mバタフライ 31.81
清水 千聡 50m背泳ぎ 39.78 50m平泳ぎ 47.06
岩井 優結 50m平泳ぎ 52.71 50mバタフライ 46.23
山本 毬愛 50m平泳ぎ 42.00
浅田 慶子 50mバタフライ 29.23
 
<決勝進出者>
細川 大介 50m平泳ぎ 32.58 第7位
50mバタフライ 27.09 第2位
細澤 響 100m個人メドレー 1:07.23 第3位
坂本 実希 50m自由形 28.51 第2位
100m個人メドレー 1:09.28 第1位
天野由花子 50m自由形 28.31(大会新記録)第1位
50mバタフライ 30.97 第7位
浅田 慶子 50mバタフライ 29.14 第2位
100m個人メドレー 1:05.92(大会新記録)第1位


永瀬コーチ

  <第34回 全国JOCジュニアオリンピックカップ春季水泳競技大会>
 開催日:3月27日(月)〜30日(金)
 会場:東京辰巳国際水泳場(短水路)
 レポート:永瀬利得

 皆様、トータル・イマージョンの永瀬です。
 3月27日(月)〜30日(金)まで東京辰巳国際水泳場にて行われた第34回全国JOCジュニアオリンピックカップ 春季水泳競技大会(JO)に、わがTIジャパンチームより3名(4種目)が出場しました。

永瀬コーチ・松浦・高津・野口

 今回の大会は、昨年の東日本大震災の影響で33回春季大会は中止となり、1年ぶりの春季大会(短水路)となりました。
 わがTIジャパンチームからは、野口寿々子(中2:50m自由形、100m自由形)、高津奈々(小6:50mタフライ)、松浦優美奈(小5:100m平泳ぎ)の3名(4種目)がエントリー。その実力を全国大会という舞台で披露してくれました。

 以下に試合結果を記しますが、年々、出場するための標準記録のタイムがレベルアップしてきており、今年は夏の大会と比べて1000名以上も出場者が減少しているということ。
 毎年、標準記録が更新されるのですが、すでに高速水着騒動も決着しているのに、タイムは上がる・・・。寿々子と奈々は今夏のJOに出場が決まりました。3人とも今期自己ベストで大会を終了することができました。
 皆様からの応援ありがとうございました。

<競技結果> 青字は自己ベスト
松浦 優美奈 100m平泳ぎ 1:15.95 予選46位
高津 奈々 50mバタフライ 29.70 予選26位
野口 寿々子 50m自由形 27.20 予選36位
100m自由形 57.83 予選10位

 JO出場組お疲れさまでした!
 2012年度もより高みを目指してがんばれ!!

 ©Easy Swimming Corporation