2011年12月10日
TIコーチ 若月和雄

 
水中映像撮影中の若月コーチ
トータル・スイム・マガジンをご覧の皆様、新潟でトータル・イマージョンのコーチをしている若月です。いつもご愛読いただき、ありがとうございます。

 先日行われたカンタン・クロールWSの様子と、クロールやその他の泳ぎをするときに注意した方が良い点、技術的な注意点などをお話ししようと思います。ワークショップに参加されたことがある方も、これから参加してみようかと考慮中の方も、一人でウェブサイトを見ながらTIスイムを研究中の方にも、何かのお役にたてれば幸いです。

 カンタン・クロールは1日WSと2日WSの二通りあります。2日WSは東京の荻窪と町田で行われており、1日WSは東京以外の各都市でも行われています。両方とも「楽にきれいに速く」泳げるようになりますが、2日WSはよりきめ細かい指導ができます。

 最近のWSはトライアスリートとフィットネスのスイマーがほぼ半々のことが多くなりました。それにつれて、体が沈んだままで泳いでいるスイマーが増えてきたように感じます。トライアスリートは筋肉がついているので、足が浮かない傾向が特に男性には多いようです。それとは別に伸ばした手の下げすぎで沈んでしまう方もいます。

スーパーマン・グライド指導中

 WSの最初に行う「スーパーマン・グライド」のドリルで、勢いをつけて水中に飛び込んだまではいいが、そのままどんどん沈んで行ってしまう方。TIスイムでは最初のスケーティング・ドリルで伸ばした手を水面下30〜35cmに下げるように教えますが、その手の伸ばした先の方向にどんどん沈んで行ってしまう方。もう浮いてきません。(笑)

 笑っている場合ではないのです。浮かすのに一苦労です。もっと力を抜いて、そっと水に体を委ねましょう。ミズスマシのように表面張力を意識して、そっと水に浮かびます。そして伸ばす手の深さを自分で探してください。各人それぞれ、下半身が浮くポイントは違います。脱力して全身の力を抜くことが大事になります。

 もう一つ気になることが・・・

 それは体を反らせて泳ぐ方が多いこと。特に女性に多く見られます。「反って泳ぐ方」の一番の原因はキックの打ち方にあると考えられます。股関節を伸ばしたまま、太ももの筋肉を使って一生懸命キックを打つ方に反って泳ぐ方が多いようです。ビート板を使ったキックで太ももから打つように習うからなのか、膝を曲げると膝下が体の後ろに行き、必然的に体が反ってしまいます。

 直すには「股関節を曲げて膝を体の前に出し、あとは伸ばすだけ」のTI流キックを覚えてしまえばよいと思います。足首のスナップが使えるようになると、大腿(だいたい)筋を使ったキックを一生懸命打って、すぐに疲れてしまっていた方でも拍子抜けするぐらい、楽なキックになるでしょう。もっともTIスイムでは、キックで進むわけではないので、より重要度は低いのですが、体を反らせる原因になっているキックは改善すべきだと考えます。

ワークショップ全景

 まだ気になる点はいくつかあるのですが、それはまた次の機会に…(次があればの話ですが)。

 先日のカンタン・クロールで、最初から指導した二人のお客様に期せずして言われた言葉があります。

「私、あなたに水泳を習って人生が変わったわ」
 一人は70歳、もう一人は45歳くらいの方でしょうか。
「年じゃないのよね」、「考えて泳ぐことで上手になるんですね」
「上手になった」、「上達している」と感じられることで、人生にどんどん前向きになれる。 今まではあきらめていたことでもできないことはないと思えるようになった。

 意識の持ちようが変わるということはすごいことだと思います。
 あなたもトータル・イマージョンで水泳を習ってみませんか。
 人生を変えてみませんか。

カンタン・クロールWS
 

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