2011年10月10日
OWSのシーズンを終えて(TIシニアコーチ 吉田智江)
沖縄ちゅらさんビーチにて

 みなさん、こんにちは!
 海大好きシニアコーチの吉田智江です。

 急に寒くなり、もうOWSのシーズンも終わりですね。今年もOWS選手として、OWS指導員として、OWSガードとして、いろいろな海を見てきました。選手としては、不甲斐ないレースだったと反省しきりです。

 指導員として、海での練習会を10回以上行ってきましたが、常に安全第一、自己保全を基本にしています。ですから、始めに伝えることは「海は自己責任です。完泳が目標ではありません。途中でもいいんです。笑顔で浜に帰ってくることが目標であり、みなさんの責任です」と、この言葉から練習を開始します。事前練習会に参加される方は、初心者の方が多いので、海での自己保全は「呼吸の確保・方向の確認とコントロール・危険回避・意志表示」ができることだと教えます。

 三浦海岸にてパンプキン杯の事前練習会で講師をしました。その時に海で泳ぐのは初めてという77歳のご婦人が参加されました。せっかくプールで水泳を習っているので海で泳いで見たいと、パンプキン杯1キロにエントリーされたそうです。この日は海が荒れていて、崩れる波を不安そうに見ていました。私も「無理をしないように」と伝えましたが・・・なんと練習が始まってみれば、一番楽しそうに波くぐりをしているではないですか。くぐることに失敗して、ゴロンゴロンと波に巻かれ、私はヒヤヒヤでしたが、砂だらけになって立ちあがり、ケラケラと笑い「先生、私、海の中で転がったのは初めてよ」と、またやって来る波に楽しそうに挑んでいました。波が高く、あまり泳ぐ練習はできませんでしたが、参加されたみなさんは口ぐちに「波が怖くなくなった」「波に躊躇しなくなった」「波のくぐり方がわかった」と、よい練習になったようです。

 77歳のご婦人は元気な顔で大会当日、三浦の海にやって来ました。あいにく練習会の時よりもさらにうねりが大きく、慣れた選手にとってもハードなコンディションでした。主催者は私が練習会で伝えた言葉「完泳が目標ではありません・・・」を開会式に引用し、参加者に自己保全を伝えてくれました。OWSガードもしている自分としては、ご婦人が正しい判断をしてくれることを祈り、スタートを見送りました。大きな波間に体が消えたり現れたり・・・。

せとうちOWSのスタート

 ああ、もう十分だから、無事に帰って来て・・・。祈るように見つめていると、近くのガードに寄って行く姿が・・・。そうそう、良い判断ですよ。あ、浜に方向を変えた。リタイヤを決めたんだとわかると、急いで迎えに海に入って行き、ご婦人の手を取り、浜に戻りました。私が伝えた通り、笑顔で浜に上がりました。「先生、私はもっと練習しなければダメね」と、短いレースではあったけれど、何か一つやり遂げたような晴れ晴れとした笑顔が印象的でした。

 今年は8大会でOWSのガードをしましたが、海の泳ぎ方を練習してきてない選手を見るたびに、やはり自己保全・自己責任を伝えたい気持ちでいっぱいになります。それからガードの立場からするとゴーグルのミラーレンズは困ります。瞳が見えないと表情がわからないからです。ぜひ瞳が見えるゴーグルを使用してほしいと思っています。

 さあ、来年のOWSデビューを考えているスイマーさん、シーズンオフにしっかりとオーシャンスイムを練習しておきましょう。安全があってこそ、楽しい海です!

 「オーシャンスイム練習会」

  
大阪でのワークショップ(TIシニアコーチ 柏木祐子)
柏木コーチ

 TIホームページに「11月3日 カンタンクロール・ワークショップ(香里園)」の掲載後、予想以上の反響で9月27日には一般募集枠が定員になりました。ありがとうございます。また、参加希望されていて、申し込めなかった皆さま、大変申し訳ありませんでした。

 今後のワークショップにつきましては、現在も実施可能な場所の確保に向けて活動中です。プライベートレッスンにつきましては、TIジャパンのHP等でご案内しておりますので、お問い合わせください。

【編集後記】▼加藤幸恵コーチの「サロンこぼれ話」が快調です。ピアニストが水泳を始めて、ピアノの音まで変わってきたという話はおもしろいですね。もう一つ、今回のこぼれ話からこぼれた話を紹介しておきます。▼「大西さんは6人ほどでスイムチーム?的なものまで作って、練習しているとのこと。常に水着を持参して出かけているようです☆このシーズンオフ?は毎日プールに行って、マスターズの大会も視野に入れているって。ホントびっくり・・・あ、そこまで書かなかった(笑)」▼細川コーチの子供と大人のレッスンの違いも興味深い話だと思います。『子供たちは技術的なことにはこだわりません。「僕はもっと楽に泳ぎたい」とは言いません。「もっと泳ぎたい。次は背泳ぎで泳ぎたい」と言います』というくだりがすべてを語っています。かわいい子供たちと会話しながらのレッスンは楽しいものです。▼OWSのシーズンを終えた吉田コーチが指導時のエピソードを紹介してくれました。「ああ、もう十分だから、無事に帰って来て・・・。祈るように見つめていると、近くのガードに寄って行く姿が・・・。そうそう、良い判断ですよ」というくだりに自己保全・自己責任を指導して、実践してくれた選手を見守るコーチの気持ちが表れています。(TIコーチ 中井博行)
 ©Easy Swimming Corporation