▽1993年〜97年 『魚のような』泳ぎは質的変化を創造し、考える練習は卓越を創造する
1991年〜92年にトライアスロン選手がポツポツとTIキャンプに来ました。彼らから最初に与えられた課題(認識の違い)は、彼らがランやバイクから疲れてプールに到着したということです。それよりもっと重大な課題は、その多くが楽に泳ぐことや水に対する認識がたいへん不足していることでした。
マスターズ・スイマーには従来のドリルが図に当たりましたが、大人になってから始めたスイマーには役に立たないことがわかりました。『船の形』とバランスのドリルは、水中で必死にもがかないだけでなく、すべてのスイマーに理想的な解決法をもたらしたのです。推進力を得る技術を教える前にスイマーが水と調和することを手助けしただけで、通常は何カ月もかかった(人によっては何年も)進歩が何日かで起きたのを見て、コーチたちはそろって驚きました。私たちはすぐにバランスと姿勢を重要視したこの方法を『Fishlike
Swimming(魚のような泳ぎ)』と呼んで『Human Swimming(人間の泳ぎ)』と呼んだ従来のアプローチとはっきり区別しました。
次に取り組んだことは、思いがけずに発見した新しい教育アプローチの収束とそれを洗練するための最適な環境作りでした。1993年、トライアスロン選手に適した指導内容の「フリースタイル・ワークショップ」を開始しました。チャレンジすることをいとわず、自己鍛錬に余念のないスイマーを教えることは、厳密に優先順位をつけたアプローチ(1.高いインパクト、2.簡単にマスターできる、3.セルフトレーニング用にわかりやすく言い換える)へと私たちを後押ししました。
▽この段階で受けた影響
・泳ぐことは人間の本性と本能に合わない
ユースチームをコーチしてきた20年間では、こうしたことを一度も理解できませんでしたが、大人になって始めたスイマーたちからは目のくらむような早さで学びました。私たちが即効性で明らかな利点を持つと思って教えたことのすべてが直感に反して(例えば、水面にとどまろうとせず、バランスをとって沈む)いました。そして、その逆(あなたが水泳について『知っていること』のすべては間違っている)も。ほんの一握りのあり余る才能がある人間を除いて、従来のテクニックとトレーニングは事実上、非効率性を強く印象づけることになってしまったのです!
・上手に泳ぐには考える練習を必要とする
人間の本性と本能に反する技術を学ぶための唯一の方法は常に集中して練習することです。精神的な疲労は60分〜90分のプール・セッションを完了したときの身体的な疲労と同じくらい大きなチャレンジになると、学んだ人たちはしばしば私たちに話しました。それは、脳が筋肉と同じように訓練される必要があるという考えを植え付けました。
・独創的なTIブック(1995年)
数百人の人たちが、TIの水泳に対する新しい考えとアプローチに直接的な影響を受け、他の人たちに話してくれたのですが、まだこの時点ではTIにとって少数の支持でした。「船の形」と「考える練習」が革命的だったことを確信して、ワークショップに参加できなかった大人たちのためにこれらを記載した水泳の本を書き始めました。
1996年のリリースから数ヶ月のうちに口コミが『トータル・イマージョン』を水泳の本のベストセラーにしました。これは非常に大きな読者の感心を米国外からも集めることになりました。まもなく多くの人々は、TIをプログラムとしてではなく、メソッドとして考え始めました。(続)
原文:http://www.swimwellblog.com/archives/1138 |