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Bさん |
昨年、そのプールでTIサークルを立ち上げて教えたお客様2人がボランティアで障害者の女性2人についていたこと。そのうちの1人がボランティアの責任者だったことから「少しでも速く泳げるようにしてほしい」と私にコーチ依頼の話が来ました。
トータル・イマージョンの手のかきや足のキックに頼らないクロールは障害者にとっても最良の泳ぎ方だと確信していたので、良い実証の場になると喜んで参加させてもらいました。
大会まではまだ3カ月ほどの時間があったので、週1回土曜日に10時〜13時までプールをコースレンタルして練習することになりました。3時間ありますが、実際は着替えの時間などで正味2時間ほどの練習になります。
男性は身の回りのことを自分で出来ますが、女性2人は着替えからボランティアのお世話になります。移動は車椅子、入水にも出水にも介護が必要です。選手3名に付き添い4名と私の総勢8名で「トキめき新潟大会」に向けた強化練習をすることになりました。
選手に指導したことは、完全に脱力して、頭から足まで一直線に浮いて泳ぐこと。浮いてしまえば、あとは体重移動で進めるようになり、筋力に頼らない、楽な泳ぎができると繰り返し言いました。ともあれ、最初のウエルカムイベントを付き添いの方に手をひいてもらってこなした段階から、楽に水に浮いて進むことにビックリしたようです。以後は何の苦労もなく、泳ぐ練習に邁進できました。
翌週、付き添いの方から「今まではクロールを25m泳ぐと顔が真っ赤になっていたのだけど、それがなくなった。ずいぶん楽に泳げるようになったみたい」と告げられたときには大会での成功を確信できました。
選手の頑張りもすごかった。最後の週は1日おきに3日、国体会場のサブプールで練習しました。カンタン・クロールのドリルを一通り復習し、推進力の出し方とハイエルボーの使い方を教え、スタート練習をしました。その日は寝ないで(?)研究したのでしょう。翌日からは泳ぐたびに自己新を連発、前日のタイムを2秒更新、その次の日も2秒更新と25mで一気に4秒も更新してしまいました。
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