ディム・ダムからの質問
クロールに関しては、ほんの初心者です。かつて1回に25ヤード以上泳いだことがありません。私の泳ぎを見て「フォームが綺麗ですね。」と言って下さる方もいます(私はとてもそうは思えないのですが)。
しかし、25ヤードを過ぎた時点でそうではなくなります。と言う訳で、水泳初心者として、正しいテクニックを学び、ラクで優雅なスタイルを達成するのが現在の目標です。正しい泳ぎのスタイルを確立しない限り、闇雲に距離を泳いだり遠泳に挑戦すべきでないと思います。間違った姿勢で長々と泳げば泳ぐほど、後の修正が困難になるばかりでなく疲れてしまうと思うのですが、いかがでしょうか。

回答者:デイビット・エバンス

これまで習慣化された間違ったフォームを一旦白紙に戻す作業を決して怠らないように、強くお願いしたいと思います。私自身も2年以上経過した現在も、前向きに心と体を動員して「更に上」を目指しています。これこそが「カイゼン(改善)」方式の基本姿勢だと思います。

TI方式で水泳を始めた人達は少なくとも、再びトレーニングを必要とする間違ったフォームでの繰り返しは免れることができます。ストロークの感覚に集中するようにしましょう。

速く泳ぎたいとか、距離を泳ぎたくてTIを勉強し始めたのではありません。もしかしたら、毎回の泳ぎが「正しい泳ぎ」になるレベルに達する可能性があるのかも知れない、という期待が私をTIに引き込んだのです。

最近、1回に25ヤードだけ泳ぐというセッションを定期的に行っています。これは、フォームの細かい調整や変化を体験する機会を与えてくれました。25ヤードで泳ぎを一旦打ち切ることで、泳ぎのペースやターンへの疑問は必然的に抹殺されます。そして身体的精神的に一呼吸置いて、次の25ヤードに集中できるようになります。

慌てないという「モットー」をお持ちなのは素晴らしいことです。25ヤードを毎回しっかり正しいフォームで泳げるようになったら、その25ヤードを1つ1つ重ねていくことを始めます。その時に、もがきを練習しないことを念頭に置きましょう。

回答者:テリー・ラクリン

私が25ヤードの反復をするのは、下記の2点のいずれかの理由からです。

1)私が課題としている、特に巧妙でわかりにくいテクニックに必要とされる、集中力の強化と神経筋の一貫性を可能にするためです。今はクロールよりは、バタフライや平泳ぎの場合が多く、最後に25ヤード反復に絞ったクロールの集中練習をしたのは、去年の春でした。肩鎖関節離開からの回復期だったのもあり、数週間はあまり負担をかけない練習が必要でしたので、頑として直らなかった2BK(ツービートキック)の非効率な詳細部分を改善することに集中しようと決意しました。1つのメソッドとしては、最小限のキックで泳ぐことで、キックはできるだけ垂直に、そしてできるだけ細かく行うようにしました。最初の25ヤードは問題ないのですが、50ヤード中の次の25ヤードは最初ほど上手くいかないことに気が付きました。これ以上悪い癖を体に覚えさせないように、最初の1、2週間はとにかく25ヤードだけを泳ぐようにしました。「最小限の垂直キック」を50ヤード維持できるようになったら、50ヤードの反復に進みました。このようにして、同じ様にフォーカスしながら徐々に距離を伸ばして行きました。

2)また、最も効率のよいフォームと最も速いスピードをつなぎ合わせるために25ヤードを反復します。25ヤードの反復であれば、より高レベルのストローク率を達成し同時に筋肉をリフレッシュさせることができます。すなわち、50ヤードおよび100ヤードを反復する時よりも、スピードと効率のより強力な組み合わせになるのです。

3月初旬の日曜日、私のトレーニング・パートナーであるデーブ・バッラは、30秒ごとにスタートしながら172×25のバタフライを泳ぎました。私も最後の30回前後でクロールで加わりました。毎回14SPLを目指して、できるだけ速く泳ぎました。最初の10回ほどはなんとなく非効率な泳ぎであると感じました。敏速な水中での壁キック、ストリームライン、そしてキックから「決定的な」最初のストロークへの移行がスムーズに行かず、そのまま最後まで引きずる感じで、17秒で頭打ちの状態でした。

しかし、12回から15回反復した後、ようやく水中から水面への移行がスムーズになり始め、やがてコンスタントにできるようになりました。その後は軒並み16秒、14SPLで、最後の25ヤードは15秒で泳ぎました。セット練習の終わりには泳ぐ感覚が全く変わっていました。これは、これほどの長期間、速く効率のよい25ヤードの反復練習を行った結果に他なりません。25ヤード/ヤードの反復から1650ヤードのレースへはちょっと飛躍し過ぎかも知れませんが、どんな距離でのレースにも、このセット練習がとても重要であることを確信しています。

私の行った25ヤード反復のやり方と多くの人の泳ぐ25ヤード反復方法との主な違いは、彼らが闇雲に速度にこだわったり、がむしゃらに泳ぐところにあります。短い距離だからこそ達成可能な、より高度なスタンダードを掲げながら、できる限り最良のSLとSR、力とタイミングの組み合わせを見つけることを課題に泳ぎます。

細部にこだわるにしろスピードにこだわるにしろ、2つ目の目標はこの点で1つ目に類似しています。より長い距離でその泳ぎを維持することを徐々に習得する、という新しいレベルに向かって自己の標準を上げる試みをしています。

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