●息子は水泳選手、でも親は…

私は、YMCAでトレーニングを受けた兄の助けを借りて、田舎の泥水たまりで独学で水泳を覚えました。唯一の目的は溺れないこと、そして唯一の目標は遊ぶこと、でした。長年、水泳改善の手段として考えつくのはキックのドリルのみでしたが、何故か前進するどころか後退しながら、すぐに疲労してしまうのでした。25年前、才能ある10代のアスリートである息子のために裏庭に25メートルプールを建設しました。スポーツ万能な息子に触発されて私も再び水泳に挑戦しましたが、結果は全くの期待はずれでした。唯一の慰めは、残りのレースで2、3人を抜いたことくらいです。ベテランスイマー達が水中を滑るように優雅に泳ぐ姿を見ては、驚嘆したものです。なぜ私にはこうも困難なのだろう。

ダニー・ドレイヤー氏の「チーランニング」を通じてTIを知りました。キックへの依存を減らす(できるだけ弱いキックをする)どんなスタイルも私には説得力がありました。去年「カンタン・トライアスロン」の本と「カンタン・クロール」のDVDを入手しました。去年の夏と秋にわたる練習によってテクニックをおおむね把握し、あとは地道に練習をするのみに至りました。インストラクターによる指導が非常に役立つというので、早速サンディエゴでのTIワークショップに申し込みました。

●衝撃的だった「ワークショップ前ビデオ」

ワークショップ受講「前」のビデオ撮りでは、TIテクニックをしっかり使っていることを自負しながら25ヤードを27ストロークで泳ぎました。ところがどうでしょう!体が前上がりに30度傾斜し、そこら中しぶきだらけです。1日目の最後に撮ったビデオでは、バランスおよびアンダースイッチ・ドリルを練習後、しぶきも立てずに体が水平になっていました。2日目ジッパースイッチとオーバースイッチ、そして息継ぎのテクニックを練習した後では18ストロークで水中を滑るように進んでいました。

誰にとっても、ワークショップ受講「前」と「後」のビデオでは格段の差があります。私のクラスメートは、競泳選手やアイアンマンのトライアスリートなどの学生達でしたが、全員が際立ってスムーズなフォームで25ヤードのストローク数を平均9ストローク減らしました。それは素晴らしい体験でした。正に水中を滑るように泳げるようになったのです。

自分の力でこれほどまで泳ぎを改善したことはかつてありません。数人のインストラクターはプールの中やプールサイドに待機して始終私の細かな動きをチェックし、アドバイスをしてくれました。その場で示唆してもらったアドバイスによって動きを覚え、体にしみ込ませることができました。一方で読み、観察し、実践してきましたが、正しいフォームを筋肉に読み込ませることに成功したのはやはり、その場ですぐにフィードバックをもらえたからこそです。自分が正しく泳いでいることを意識し、感じ取ることができました。あとは練習のみですが、正しく泳ぐ感覚と、そしてその感覚を体にしっかりしみ込ませることを学びました。

●カイゼン・スイミング

最大の教訓は、小さな変化が大きな効果を生む、と認識したことです。その認識を元にこれから継続して改善していけるでしょう。これほど短期に驚くべき成果をあげたクラスを受講したのは初めてです。現在は、ドリルのシリーズを週三回集中して練習しています。まだいくつも課題を残していますが、継続して改善していることを確認できる喜びを感じています。練習では、さらに磨きをかけるために、いくつかの動きを復習し、泳いだ後にはどのように改善されたかを顧みることにしています。思うように泳げない時には、速やかに練習を打ち切ります。

息継ぎを泳ぎにつなげることやドリルの中にも練習段階のものがあり、まだまだ長い道のりです。25メートルを息継ぎなしで泳ぎききり、その後アンダースイッチを1回したあとで素早く息継ぎできるようになるなど、驚くべき進歩です。

私の目標は、水中を滑るように進む息子や他の素晴らしいスイマーの泳ぎの感覚を達成することです。アイアンマンを息子と制覇するのも決して夢じゃありません。

もともとは原子力エンジニアでしたが、原子力が公然と捨てられた時、ダン氏は機械学のルーツに立ち返って、歯科医としてブリッジや根管治療の「掘削」を行いました。現在は退職して耐震強化を図る(カリフォルニアに在住するに当たり賢明な選択)など、アドーべレンガの家を改築しています。彼は、幼少時代の友人宅への1.5マイルのラン、そして35のマラソン大会出場(ボストンマラソンを含む)など、これまでずっとランニングをしてきました。テニスプレイヤーで45年間連れ添ったご夫人のジョアンは、改築プロジェクトを称え、と同時にいつ終わるのかといぶかっています。15回に亘るグランドキャニオンの端から端までのハイキング、そしてサンジャシント川、ホイットニー山、そしてマウナケアの頂上などでのハイキングを含め、15年間ハイキングをしてきました。過去10年間においては、心臓ステントのための3回の通院によって数日さえぎられただけです。
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