私は、40年以上1500メートル自由形という種目でレースに出ています。これまでも決して生易しいものではありませんでしたが、中年ともなると一層手ごわいものになりました。問題は距離ではありません。すべてはフリップターン(クイックターン)なのです。
コーチの言われるがままにターンをするとなると、レースのかなりの部分息を止めていることになります。大抵はターンの前に息継ぎなしで1回以上手をかき(推進力を最大限にするためにより好ましい)、次にその後壁キックの状態を保持するようにします。水中でストリームラインでいる方が水面で手をかくよりずっと速く進むからです。これは、25メートルごとに4秒から5秒息継ぎが中断されることを意味します。

10代の頃でさえ、65回のターンを重ねるレースでのこのような息継ぎの中断が蓄積された影響は、最後の25メートルの時点であと25メートル分かけて息を整える必要に駆られるというものでした。ターンが終わったと思った瞬間、また壁が目の前に迫ります。57歳では、これが更にどれほど負担になるかは想像に難くないでしょう。

中年にして学んだポイントの1つは、短いプールでの長距離レースの終盤と中間地点で、体を回転させる直前に1回息継ぎを入れることです。最後のストロークが左側だったとしたら、右側で息継ぎをしてまた直ぐターン直前に左側で息継ぎをします。来る酸欠状態をほんの少しでも遅らせることと、壁キックを通して必要な酸素を取り込むことは、とても大きな違いをもたらします。より快適に泳げるようになるばかりでなく脳にも十分な酸素が行き渡るのか、疲労が蓄積されるなかストロークの効率を維持するための集中力も高まるようです。

もちろん、かなりの練習を要します。左右で連続する息継ぎを練習する機会など、この他にいつあるでしょうか。更に、2度目の息継ぎを終えると同時に、スマートに体を回そうとする途中に壁が目前に迫るのです。初心者にとっては、スムーズな操作のはずがビックリハウスの宙返りに様変わりということもあります。

プールの真ん中あたりでこれを練習するのも一つの手です。手を何度か掻いて、最後の2回で息継ぎをし、それから直ぐにとんぼ返りを行います。同じように手をかいても毎回壁ぎわに来るとはかぎらないので、右−左、そして左−右の息継ぎのパターンを練習します。プールの中間で混乱せずに息継ぎ−息継ぎ−回転ができるようになったら、慎重に壁に近づいて練習します。その後は、トレーニング中に定期的にこれを代用するものはありません。長距離を泳ぐ際や練習でのセットの際はほぼいつでも、まずはターン前の息継ぎを始め、それからは、更に連続した息継ぎを必要に応じて取り入れることになります。

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(上のリンクのビデオはQuickTimeです。Flashに変換したビデオは11日の本ページに公開します)

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