いよいよオープンウォータースイムの季節到来です。いつかはレースに参加してみたい…自然の環境の中で泳いでみたい…と思っている方も少なくないでしょう。病気から回復し8月のオープンウォーターレースからOWSワールドに復帰する吉田コーチが、OWS未経験の方の様々な質問に答えます。
Q:海の大会に出て見ようと思うのですが、どんな大会から始めれば良いですか?
A:初めは無理をせず、余裕を持って短い距離で海を体験する事をお薦めします。今は初心者でも安心して参加出来るように、400m・800mといったショートコースのある大会や、チーム数名で泳ぐ団体泳もあります。可能ならば、沖縄などの透明度の高いキレイな海が良いですね。関東近辺等は、水中の視界が0に等しい事を頭に入れ、何も見え無くても慌てずに、広い海を楽しみましょう。海の大会情報は「泳ぐ旅人」のホームページが良いでしょう。

Q:一緒に出てくれる人がいないのですが、一人でも大丈夫でしょうか?
A:一人で参加される方は結構多いんですよ、大丈夫です。現地で知り合いになったりするのも楽しいです、気軽に声をかけて見ましょう。例えば「私、初めてなんです、緊張するなぁ」とか「日焼け止め背中塗りましょうか?」とか「水は冷たいのかなぁ」「次はどの大会に出るの?」など、何でもいいんです。それと、なるべく本部のそばに居た方が安心ですよ。

Q:海で練習しておいた方が良いですか?
A:いきなりぶっつけ本番はお薦めできません。が、必ず海開きした海水浴場の遊 泳区域を守り、監視下で泳ぎましょう。一人で行く事は避けて下さい。海の練習会を開催する団体もありますから利用するのも良いですね、月刊誌 SWIM(ランナーズ発行)に情報が掲載される事があります。

Q:プールではどんな練習をすれば良いですか?
A:「効率の良い泳ぎを身につける練習」と「長い距離を泳げる心肺機能を高める練習」に大別されます。効率の良い泳ぎの練習方法はドリルで短い距離を反復することです。必ず1ラップ毎にフォーカルポイントを決め、決めたポイントが正しくできていたか評価してから次に進んでください。心肺機能を高める練習は運動強度を下げたゆっくりしたスピードで、休まず泳ぎます。プールが混んでいて立ち止まる場合でも、休憩せずにすぐに泳ぎます。途中で辛くなっても、立って休まずにペースを落としゆっくり休憩泳ぎをしながら、呼吸を整える練習をしましょう。海に慣れていない方はクロールのまま前方確認する事は難しいので、途中で平泳ぎを3ストロークほど入れる練習もしておいて下さい。

Q:大会に必要な持ち物は何ですか?
A:水着・ゴーグル・キャップは使い慣れたモノで予備も。タオル・帽子・サングラス・ビーチサンダル・ビニール袋大小・参加必要書類水着の上に着る物・折り畳み傘・日焼け止め・目薬・保険証コピー・くらげ避けクリーム・ムヒアルファEX・飲み物・エネルギーゼリー飲食料が調達しにくい会場もあるので自分の分はしっかり!クエン酸・ビタミンC飲料は日に当たると化学変化を起こすので、ボトルホルダーに入れる事。

Q:みなさんは、クロールで泳ぐのですか?
A:泳法は自由です、平泳ぎ・背泳ぎ、何でもOKですが一般的にクロールですね。平泳ぎは割りと多いですよ。私のデビューは肩故障中で片手背泳ぎでした(笑)

Q:水着はどんなものが?ラッシュガードとか、ウエットは着た方が良いですか?
A:普段着慣れた物が一番です。ハイレグ・ビキニ・ハーフ・フルレッグ、人それぞれですね。寒さ・クラゲ対策にラッシュガードを着る方もいます、女性は水着の下に着た方がフィットします。ただ・・・慣れてないと非常に泳ぎづらいです。ババシャツなどを着用してる人もいます。次回のために良く観察しましょう。ウエットは大会により、可・不可がありますので確認が必要。泳ぎにくくても浮くので、安心ですよ。ゴーグルは色の薄いものが見やすいです。キャップは主催側から配布の場合と個々に持参の場合があります。寒い時は頭から体温が逃げるので、シリコンが良いでしょう。

Q:更衣室・トイレは会場にありますか?
A:公共のトイレを利用。現地に着いたら確認しておきましょう。更衣室も公共・有料等。主催側で簡易更衣室が設置される場合も有ります。海の家や、宿泊先を利用しましょう。男性はその辺で着替えてますね(笑)私は何処でも着替えられるように、下着の代わりにセパレーツ水着を着用してその上に普段の水着を着ます。レース後上だけ脱いで、帰る頃には乾く(笑)シャワー代わりにペットボトルに水を汲んで浴びてもスッキリします。

Q:荷物などの置き場所とか、預けたり出来るのですか?
A:自己管理が基本です。海の家・宿泊先を利用。仲間と参加しても全員レースに出てしまえば一人も同じ。大抵は浜に置きっ放しです。急な雨に備えバックごとビニールのゴミ袋に入れて置きましょう。スタートとゴール地点の異なる大会、 ワンウェイコースでは、主催者が預かり移動してくれます。ボランティア募集していたら参加して見て下さい、本部に荷物を置けます(笑)

Q:日焼け対策は必要ですか?
A、必要です。肌が日焼けする以外に、脱水・疲労につながります。日焼け止めは満遍なく、ウォーミングアップ後も塗り直しましょう。帽子・サングラス、日陰が無い場合は傘を利用。ビタミンC飲料など、水分を小まめに摂取。レース後は、アフターローション等でほてりを押さえ保水しましょう。

Q:ウォーミングアップは海でするのですか?
A:はい、必ず一度は海に入って下さい。ゴーグル・キャップの具合を確認。ラッシュガードを初めて着用するならアップ時に試して下さい。濡れてしまうので良く拭いて保温に注意。スタート地点の確認・目標物の確認も忘れずに。水温の低い時は短時間で切り上げ、陸でストレッチや軽く走るなどのアップを。

Q:当日の受付・召集などは、プールの大会と違うのですか?
A:プール競技と違う点は召集に先立ち、個々に受け付けがあることです。事前送付される要項を良く読み時間を守りましょう。ナンバリングと言って、腕などにマジックで、ゼッケン番号を書きます。大会によっては、計測チップを腕や足首に装着します。注意点がいろいろあるので、必ず説明を良く聞いて下さい。ナンバリングの前後に日焼け止めを塗ると書きにくく落ち易いので、塗る時間をずらしたり上から塗らない様にして下さい。開会式や、召集時にコース、海上コンディションについて説明があります。

Q:スタートは一斉ですか?どのようにスタートするのですか?
A:これも大会により異なり、男女別、年齢別(大きく2つに分ける程度)、人数が少なければ、全員一斉だったり・・・大勢でスタートする事には変わりないです。初めての方は激しいバトルに巻き込まれない様に、後方スタートがお薦めです。前を行く選手達が道筋を作ってくれるので目標物が見えなくても道は見えます。スタート直後にゴーグルが外れたり、ぶつかった衝撃が大きかったら、一旦立てる所に戻り落ち着いてから再スタートしましょう。

Q:ゴーグルがずれたり、水が入ったらどうしたら良いですか?
A:海水は目を痛めるので、直した方が良いです。立ち泳ぎや背浮きで、片方ずつ直して下さい。両手を挙げると沈み易くなるので、必ず片手で。どうしても上手くいかなければ、近くのライフガード・船・ブイ等に摑まって。これも、プールで練習しておきましょう。

Q:途中で苦しくなったり、足が攣ったりしたら、棄権した方が良いですか?
A:心配なのは、苦しくなったり、攣ったりする事で引き起こすパニックなんです。ドキドキしたり、手足が痺れる様なら、パニックの入り口です。ライフガードを呼びましょう。摑まって落ち着いてから、棄権するか続行するか決めれば良いです。ライフガードを呼ぶ時は片手を振って下さい、両手を挙げてはいけませんよ、体力を消費してしまいますからね。

Q:ちゃんと、コースを外れずに泳げるか心配です。
A:少しぐらい外れても気にしないで下さい。大幅に外れればライフガードが教えてくれます。スイマーの目線は低いので、ブイや、そばを泳ぐ人も見えなくなったりしますが、落ち着いて平泳ぎや立ち泳ぎで確認すれば見えます。一人の人に付いて行くのは危険です。前方で人が多い方向へ向かって下さい。

Q:クラゲが心配なのですが、対策はありますか?
A:最近は海水温が高く、クラゲの発生が早いです。クラゲは自分で泳ぐ事は無いので、向かって来たりしません。見つけたら避けて下さい。中には刺さないモノもいますが、透明度が低いと見えないので、心配でしたらクラゲ避けクリーム(セーフシーなど)を塗って下さい。触手が付着したら、そ〜っと取って下さい。ムヒアルファEXが効きます。

Q:波があっても泳げるか、心配です。
A:誰でも初心者の時は波に驚きます。大丈夫、身体は浮くので、波で沈む事はありません。波に酔って気分が悪くなったら無理をせずに棄権しましょう。

Q:海で長い距離を泳ぎきれるのか心配です。
A:海は浮力があり、プールよりもラクに浮きます。泳ぎ切れるかは、精神面が左右します。独りぼっちになった様に感じ不安になったら、スタートを思い出して下さい沢山の選手がこの海を泳いでいます。決して一人では無いのです。無駄に疲れなければ大丈夫です。まず、スタートで無理をしない。ブイを回る時も、空いている外側をゆっくり回りましょう。

Q:海はプールよりも冷たいのですか?
A:時期や場所によりますが、温かかったり、冷たかったり、レースの途中で水温が変わるのは当たり前の事ですから、慌てないことです。ただ、低体温症は身体の動きが悪くなるので要注意です。手足の痺れ、頭痛が症状です。前日の寝不足や、飲酒、疲れなどで、泳いでいる最中に体調が崩れたりします。当日は、生姜・アミノ酸など、身体が温まるサプリメントもお薦めです。

オープンウォーターやマスターズの大会に積極的に参加している吉田智江TIアソシエート・コーチですが、今年は8月3日のレースよりオープンウォーターレースに参戦します。オープンウォーターのレースの詳細やQ&Aは吉田さんのブログをぜひご覧ください。
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