リハビリを目的として水泳をされている方は多いと思います。ジョン・ケアリー獣医は、自分の背中と首の痛みをとるために理学療法士に相談のうえ、運動としてTIスイムを選びました。その結果痛みがとれただけでなく、ラクに泳ぐことで体の負担をかけずに筋力をつけることもできました。以下はそのレポートです。
私は二つの理由から、首の下部から背中そして腰にかけて、脊柱に慢性的な問題を抱えていました。長年サクソフォンを演奏しており、10ポンドの重みを頸椎下部で支え続けたことで、慢性の関節炎/変形椎間板疾患を引き起こしてしまいました。また、オートバイ事故での鞭効果により、頸部に慢性的な筋痙攣を引き起こし、腕の末梢神経を損傷してしまいました。右腕は上腕二頭筋、グリップそして固有受容感覚(曲げ伸ばしの感覚)の保持能力を失いました。数年後、右腕は多少回復したものの、今度は左が右腕の時と同じ様な脱力感、固有受容感覚の状態に陥りました。

これ以前にも、15年前に乗馬中に馬から投げ落とされる怪我をしています。乗馬はオートバイよりも安全だと思っていましたが、乗った馬はおびえて暴れ、私の体は一見柔らかそうな土に覆われた非常に硬質の岩場に叩き落とされ、慢性的な筋痙攣になりました。この事故は、もがく80ポンドの動物を抱き上げたり、前かがみで何時間も手術台に向かう獣医としての私の仕事に非常に大きな打撃を与えた事は言うまでもありません。

約2年半前、数ヶ月ごとに強い痛みに耐える状況が続く中、背中と首の状態が非常に悪化していることに気が付きました。理学療法士に相談後、筋力強化のためのエクササイズをする決心をしました。;ランニングやバイクは負担が多すぎると思い、水泳を選びました。子供の頃から定期的に泳ぎ20代でスキューバダイビングを始めた私ですが、上体は平にしたまま首を曲げて息継ぎをし、激しくキックをするように教えられていたので、気晴らしのはずの水泳は激しい痛みを伴いました。

幸いにも、トライアスリートの妻がTIを薦めてくれました。週に4回から5回、それぞれ60分から90分泳ぐようになって状態は全般に目覚しく改善しました。TIスイムでの穏やかな回転に私の首はすんなり順応しました。筋痙攣は減少して、神経の機能も改善されました。泳ぐ回数が減ると体の変化を敏感に感じるようになりました。これまでのような痛みを感じることはないものの、首を動かすとゴリゴリと軋みが聞こえるのです。

バイクやカヌーなど、肩に負担をかけるものなら何でも胸椎の中央部(脊柱と左肩甲骨間の深部の傷)の状態を悪化させました。理学療法士はこの領域が、背中の怪我における筋力低下の影響を最も受けると考えていました。TIスイムはその領域に負担をかけるというよりはむしろ、強化させてくれました。この胸椎中央部の筋痙攣は、以前はとても強く夜も眠れないほどでしたが、TIによって完治されて既に1年以上がたちます。

一般的に、腰椎下部は慢性的な変性椎間板疾患の影響を受けます。私の背中の筋肉はとても強いのですが、対する腹筋の支えが弱いのです。(典型的アイルランド人の突き出したお腹です。)TIスイムでのやさしいキックや、主に体幹の筋肉を使う泳ぎによって、この領域の筋肉が鍛えられました。2年前であれば60ポンドの動物を持ち上げると激痛が走ったものですが、今では90ポンド或いは100ポンドの動物を持ち上げても何ともありません。また、以前は40分立ちっぱなしで手術に臨むと筋痙攣を起こしましたが、今は2時間立ったままでも、多少の疲労感を伴うだけです。

先日、テーブルの上に上体をかぶせる様な変わった姿勢で手術をしました。2年前であれば2分と持たないその姿勢で、15分間の手術を何の痛みもなく完了することが出来ました。私は、複数の領域に問題を抱えた状態から広範囲に予期せぬ改善を見るまでに変化を遂げ、バランス、ストリームライン、そして体幹の細部にわたる動きに配慮したTI方式の泳ぎにただ集中することで、生活の質も驚くほど向上させることができました。

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