今年こそトライアスロンスイムやオープンウォーターに挑戦!という方もいらっしゃるのではないでしょうか。普段のプールの練習と違って新しい世界は何かと不安がつきものです。
そこでオープンウォーター大好きな吉田コーチが、初めてオープンウォータースイム(OWS)にチャレンジする方のためにOWSの心得をまとめてくれました。

海で大切なこと:「平常心」

普段プールで泳ぎ慣れている私達にとって、海は未知の世界、何が起こるかわかりません。立つことができず、つかまるモノも無い・・・そんな海を恐いと思うのは大切なことです。海の恐さを覚悟してこそ安全に泳ぐ意識が持てるのです。プールと違い、水は常に動いていますが、体を浮き易くしてくれるのも事実です。恐いばかりではありません。とても素敵な楽しい世界でもあります。

海を楽しむためには平常心を保つことが大切です。海について知ること、プールで練習をしておくことが自分に自信を与え、平常心を保つことにつながります。海の泳ぎ方などを頭で勉強しても、実際に上手く対応出来なかった時にパニックに陥り易くなります。プールで練習をキチンとしていれば、上手く行かなくても気持ちに余裕が持て、「よし、今度は上手くやろう」とポジティブ思考でいられます。

海で泳ぐための練習を大会で

水泳が得意な人も、OWSでは1人1コースではないと言うこと、海は予想外の変化を見せると言うことを良く考え、経験者から話をよく聞いたり、海で泳ぐ技術を練習することはとても大切です。といって一人で海で練習するのはやめましょう。OWSを想定した監視体制の下でなければ海で泳ぐ事はお薦めできません。

私は経験上、初めての大会を練習の場だと思って参加することをお薦めしています。大会主催者は事故を一番に避けたいのですから、安全面はしっかりしているでしょう。安心して泳ぐことも平常心を保つために必要なので是非、練習のつもりで一度大会に参加してみましょう。

初めての大会は練習の場ですから、もし途中で続けられないと感じたらすぐにレースを棄権しましょう。途中でレースを止める事は勇気のいることですね。続ける勇気・止める勇気、どちらも大切な勇気です。どちらにするか迷った時は、止める勇気を選んで下さい。決して恥ずかしいことでも何でもありません。体調が少しでも悪ければ、トップスイマーでも有り得ることです。マラソン選手に突然ブレーキが襲って来るように・・・体に不調を感じたらためらわずに、ライフガードを呼びましょう。

海の大会は、タイム・順位だけでなく、海で泳ぐ行為自体が目的でもありますから、少しでも泳ぐことができたらそれで良しとしましょう。経験値が1つ増えたのですから、次に活かしましょう。ライフガードと浜に帰るまでにリタイヤ理由でも考えましょう・・・「足をつった」「風邪気味だった」「体が冷えてお腹が・・」冗談に聞こえるかも知れませんが、落ち込む必要が無いからです。笑って帰還しましょう。

オープンウォーターやマスターズの大会に積極的に参加している吉田智江TIアソシエート・コーチですが、今年は病気のため参戦が遅くなりそうです。オープンウォーターのレースの詳細やQ&Aは吉田さんのブログをぜひご覧ください。
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