がむしゃらではなく、きめ細かく集中し目的を持った練習こそが成功への鍵だとする点が、TI方式が理想的である理由です。TIはゆっくり泳ぐのを許可してくれたばかりでなく、のんびりラクに泳ぐことを有利にする方法を教えてくれました。TIを始める前は、何度かプールを往復するうちタイムは初回の60秒からすぐに80秒に落ちてしまいました。今では練習のオプションを大きく広げ、夏の終わりには20マイルのバイクの後に水泳の練習ができるようになりました。

体力を取り戻すまでの道のり
2005年以来、TIスイムを生活に取り入れたお陰でいろいろな状況が好転しました。水泳を始めたばかりの頃、私は慢性的な疲労の諸症状に長年悩まされていました。この慢性的疲労感には既知の原因はなく、あくまでもその徴候によって確認するしかありません。とても疲れやすく回復が遅い。筋肉が痛む。睡眠を特に必要とするなどです。

エクササイズは体力を取り戻すためにとても重要ですが、度を超さないように十分気をつける必要があります。過度のアクティビティーによって、20マイルのランや100マイルのバイクを除いて経験したことのない筋肉痛を引き起こします。かつては適度なペースであっても、当時は1時間のランニングによって筋肉の痛みや疲労感から回復するためにその日は1日寝込んで、その後も数日間は何もできなくなってしまいます。

潰れてしまうことなくエクササイズできるようになるために様々なアクティビティーを試みました。サイクリングとクロストレーナー(フィットネスバイク)は衝撃がないので初めのうちは効果があるように見えたのですが、双方とも足の筋肉に重きを置くために2、3日やっているとやはり潰れてしまいます。ストレス発散とリフレッシュのためにエクササイズをするようになり、以前は問題なく簡単にできたことで屈辱を受けることに驚きでした。こうして私はプールへ戻る決意をしました。私は赤十字のスイマーでありライフガードとしての経験もあります。15年前、マスターズのスイミングを1年ほど試みたこともありますが、大抵は同じレーンにいる他の4人から6人のスイマーたちによって圧倒されてしまい、一番遅いレーンから先に進むことはありませんでした。15年後再びプールに戻り、未だにペースはゆっくりですが泳ぎはセラピーのように感じられます。まだ一人として「本物の」スイマーを追い越していませんが、ランニングに比べるとスイミングはまるでマッサージのようです。

クロールがとても体力を消耗するので、インターネットで詳しく調べることにしました。幸運にもトータルイマージョンのサイトにぶつかり、その泳ぎが他に比べて全く異なるアプローチをしていることに勇気づけられました。私は「カンタン・クロール」のDVDとダウンロード可能な学習ガイドを申し込み、双方を食い入るように何度も見ました。また、TIのディスカッション・フォーラムで、他のスイマーから学んだり分からないことを質問したりしました。そしてついにはワークショップに参加しました。

がむしゃらな練習ではなく、きめ細かく集中し目的を持った練習こそが成功への鍵だとする点が、TI方式が理想的であるゆえんです。TIはゆっくり泳ぐのを許可してくれたばかりでなく、のんびりラクに泳ぐことを有利にする方法を教えてくれました。TIを始める前は、初回であれば50ヤードを60秒で泳ぐことができましたが、何度かプールを往復するうち、タイムはすぐに80秒に落ちてしまいました。クロールでは100ヤード以上を泳ぐことはできませんでした。TIの練習では引き続き、平泳ぎと初級の背泳ぎに移行しました。ドリルと普通の泳ぎを練習して半年後、体力が回復し始めました。同時に下記の練習のように練習のオプションを大きく広げ、の夏の終わりには20マイルのバイクの後に水泳の練習ができるようになりました。

40分のクロール練習
まず、タイムとストローク数に集中しながら「速い」50のリピートを20分間行いました。タイムは57秒からスタートして徐々に51秒台に定着していきました。ストローク数域は40から44で、ゴルフ・スコアーでは95から97の間でした。基礎的なバランスドリルから始めて複数のスイッチ・ドリルまで、TIドリルで「アクティブな休息」と呼ばれるスィートスポットでの十分な休息をドリル間のサイクルに入れて、「速い」50のリピートの合間に体力を回復させました。

次に、ストローク数を減らすことに集中し、リピート時のタイムにあまりとらわれずに「効果的な」50のリピートを20分間行いました。ストローク数は50で35からスタートし、その後31に定着しました。タイムは60秒から57秒で、驚いたことにゴルフ・スコアーは数回90を切りました。再び、バランスドリルからスイッチに移行しながら、50のリピートを普通に泳ぐ合間に25のリピートでドリルを練習しました。

練習全体を通じて最高のテクニックを維持するためにドリル練習はとても役に立ちました。過去のトレーニングやコーチの経験では、テクニックを学ぶのはなんとなく体の疲れている時でした。疲れるほどに正しい泳ぎの技術に頼る必要があるので、テクニックを強化することはただ単に距離を伸ばすよりもずっと有益です。警告を一つ:ドリルを正しくできないほどに疲れてしまったら、直ちにプールから出ること。

それから、短軸のドリルを10分行いました。それぞれの短軸のドリルを25行うことから始めて最後は25をバタフライで普通に泳ぎました。バタフライは初めてだったので、これは新鮮で刺激的でした。フィードバックをくれるインストラクターはいませんでしたが、心優しい女性が二人「とても綺麗にバタフライを泳ぎますね。」とコメントしてくれました。バタフライならぬ「バタもがき」をしないで泳いだことに感激したようでした。バタフライで25を泳いだ後、平泳ぎで数分間ゆっくりと泳ぎました。

最後に、リカバリーで両腕を水面から持ち上げてみたり水中でしっかりプルしてみたりしながら、足は単にバランスとタイミングを保つために平泳ぎのキックをして、初級の背泳ぎを「遊び心で」泳ぎました。51秒から52秒で50のリピートを何度か泳ぐとすっかり楽しい気分になりました。と言うのもこのエキゾチックな初級の背泳ぎを上手にこなせたばかりでなく、フリップターンをしながらクロールを泳ぐ中級スイマーを追い越すほど速く泳げたからです。

日曜日の夕方になり、ソファーの中にへたり込むことなく家族と一緒に時間を過ごしました。水泳を定期的に行うようになって、ほとんど潰れることなく毎日1、2時間有酸素運動ができるようになりました。体も足も疲れ知らずです。

現在TIのインストラクターとして、疲労感や怪我の経験のあるスイマーには特別な思いを抱き、彼らには特にラクに正しく泳ぐ方法を学んでほしいと思います。また本当にいい泳ぎは、新鮮で楽しくエキサイティングなことでもあります。ジョージ・シーアン博士、ジム・フィックス、ケニー・ムーア、ハル・ヒグドンそして、ジョー・ヘンデルソンらが言及したランニングを是非とも経験したいと願う人が多いのですが、同様に、もし私がプールやオープンウォーターでラクに自信を持って泳げるようになって得た利点を他の人と分かち合えば、水泳をやりたいと言う人も増えるのではないかと思っています。

バイクとランの競技に出て、今はトライアスロンも練習中です。中でも最も綺麗で長くラクなストロークで他者を引き抜いて勝ちたいと思います。他のスイマーよりもずっとラクそうに泳ぐことで、見る人に「私もあんな風に泳げたら、、」と思ってもらえれば本望です。TIの教えてくれた泳ぎで遊んだり実験してみたりするたびに、楽しく泳ぐことに焦点を当てたTIのアプローチに心から感謝しています。

ビル・ハモンスは、教育、トレーニング、金融、そして売買の分野で25年以上の経験を持っています。普段の生活は水泳をメインに、アトランタ近郊でTIを教えています。
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