背泳ぎのターンは前が見えないので4種目の中で最も難しいと言えます。TIコーチのボブ・マカダムスが、うつ伏せのフリップターンを使った背泳ぎのターンについてステップ毎に説明しましょう。
質問:背泳ぎのターンが思うように行きません。ターンをするのが早すぎて壁にたどり着くまでに手を掻くことになるか、ターンが遅すぎてもう少しの所で壁に顔をぶつけてしまいそうになるかどちらかです。また、たまたま上手にできた時もターンの全工程を終了してしっかり壁キックをするまで息が持たないので、体をしっかり伸ばしきれません。どなたかいい方法を教えてくれませんか。

回答:背泳ぎのターンをする場合、ターンの合図として使うのはプールのコースの上に張ってある旗や両脇のポールに対する体の位置です。この感覚をつかむ方法の1つは、ターンをせずに壁に向かってそのままストロークをし、その際に旗と体の位置関係を確認することです。旗を見た時点で壁に指が触れる瞬間を正確に予測できるようになるまで繰り返します。

壁に到着する時にまだストロークが半分残っている場合は、旗を頭が通り越した時点でストロークの長さを調節して壁に到着すると同時にストロークが終了するようにします。正しいストロークの長さが見つかるまで繰り返し行います。

長く壁キックをするためには、壁に到着する直前にしっかり息を吸い込むようにします。また、できるだけ速やかなターンを心がけます。速やかにターンをするために、以下のことを参考にして下さい。

  1. クイックターンが終わるまで、胸の方に強く顎を引いたままの姿勢を保つ。
  2. 鼻を膝に、踵をお尻につけて、そのままの姿勢を保つ。
  3. 最後に入水した手を使って(うつ伏せに体を回転する時)ターンをする。最後に入水した方の手の側に体をひねって、うつ伏せのスケーティングのポジションになり顎を胸に、鼻を膝にぐっと引いて、もう一方の手が壁に向かって頭上を越えた時点で伸ばした手にアンカーをかける。
  4. 体を宙返りさせる際に「耳の向こうに水を投げる」様に両手を回転して、クイックターンを終了するために両手を使う。
  5. まっすぐに伸びたストリームラインの姿勢で壁キックをする。180度の回転を終了する際に腕を合わせて(手と手,肘と肘を重ね、後ろの手の親指を前の手に引っ掛け、両腕を耳の後ろでぎゅっと締める)ストリームラインになり、それから後ろに向かって思い切り壁を蹴る。壁キックをする前に腕がストリームラインに伸びていることを確認する。

一連の動作が体にしみ込んでいてストロークがリラックスしていればいるほど、壁に到着した時に慌てて息継ぎをしたり、更に息継ぎを急ぐ必要もなくなるのは明らかです。

なおターンが近づいたらとにかくバランスに集中すれば、クイックターンを始める際に水中での足の位置が高くなります。こうすることで回転する時に膝までたっぷりの水を運ぶ必要がなくなります。

ボブ・マカダムスは、1999年2月にTIクロールのワークショップに参加して手応えを掴んで以来、TIディスカッション・ボードに熱心に参加するようになりました。また、2002年にはTIティーチング・プロフェッショナル・コースを修了しました。以降ボブは、TIキッズ・キャンプのコーチ、TIクロール・ワークショップのコーチ、そして、プライベートでTIコーチを務めています。ボブはまた、マスターズ・スイマーとして競泳にも参加し、自身の水泳の改善も図っています。
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