2006年4月に実施されるフロリダのスイムキャンプで、新しいDVDのための撮影を行うとテリーから連絡があったのは2006年の正月明けでした。教えているドリルの内容が随分変わってきているので、平泳ぎやバタフライのDVDを作るとは前年から聞いていたのですが、撮影開始前にテリー自身が怪我をしたり、プールの利用日程で調整がつかない、またスイムスタジオの立ち上げで忙しいなどとスケジュールは伸び伸びになっていて、私もすっかり忘れていたときの連絡でした。
私は前年鍛えた体が冬にひいた風邪のせいでたるんでいて、とてもではないがモデルとして出演できる体型ではなかったので、あわててダイエットとトレーニングを行い、なんとかシェイプアップ(したつもり)して撮影に臨みました。フロリダではスイムキャンプの指導もあったので、午前中のレッスンが終わってからの2〜3時間が撮影の時間に充てられました。テリー監督は非常に厳しく、ダメ出しとなって幾度も同じドリルを泳ぎました。私はなんと言っても背泳ぎが断然発展途上(ヘタクソ)なので、斜めに進んでコースロープにめり込んだ姿までバッチリ撮影されました。4人のコーチが順番に同じドリルを泳ぐのですが、コーチ同士がアドバイスを与え合ったので泳ぐたびに上手になっていきました。
私は平泳ぎからTIスイムの世界に入ったので、平泳ぎとバタフライのドリルが得意です。キャンプの初日のビデオ撮影では各種目とも課題山積でしたが、ドリル撮影を行う頃にはかなりの部分が解決したので、やはりドリルの効果は絶大で、美しく泳ぎたいのならドリルを美しく泳ぐべきと再認識させられました。
このときに撮影したのが、各種目のDVDとも最後に収録されている「TIコーチのドリル練習」です。テリーはコーチに対しても容赦ないコメントを加えています。背泳ぎのDVDで、私のドリルにテリーのコメントを字幕で挿入していて本当に恥ずかしくなりました。ちょっと意訳しようかと思いましたが、後でお客様からねつ造だと指摘されても困るのでありのままを訳してあります。反面平泳ぎでは随分褒めてもらって素直に嬉しかったです。
各DVDのメインパートは、自宅庭に新設したティーティング・プールで撮影したテリーや地元に住むTIコーチの泳ぎです。テリーの家は林の中にあるので、収録中はセミの鳴き声がうるさく大変だったそうです。プールに入ってテリーが説明するシーンでセミの鳴き声を聞くことができます。また収録も後半になると落葉のシーズンと重なったため、落ち葉を拾っては撮影、また中止して落ち葉拾いという繰り返しだったそうです。屋外での撮影はこのように大変なのですが、良い色が出るのでテリーは屋外での撮影にこだわっています。
上から撮影したビデオは、家の2階からたまたま撮影したらちょうど良いアングルだったので使ったとのことです。水中、水上いずれのアングルもスイマーが固定しているので、手や足、体や頭の動きが良くわかるのではないでしょうか。エンドレスプール(正式にはファストレーンという外付け製品)を使っての撮影が大きな効果を生んでいます。
今回のDVDにはマニュアルが付属していませんが、TIスイムのバイブルとも言える「カンタン・スイミング」に4種目のドリルの詳しい説明や練習方法が記載されています。夏になる前には日本語版も完成する予定ですのでご期待ください。(竹内) |