バハマのエルーセラ島で開催されたTIのOWS(オープンウォータースイム)キャンプに参加しました。テリーと直接会って彼の泳ぎも間近に見ることができ、また直接ポイントを指摘してもらってさらに泳ぎに磨きがかかってきました。TIのコーチになって1年半、ますます自分の泳ぎが変わっていくことにワクワク、ニンマリ笑顔が止まりません。
島を目指して泳ぐ

出発前に飛行機の手配をしていた時からわかっていたことですが、バハマは日本からは実に遠い場所でした。行きはいったんワシントンDCで、帰りはサンフランシスコでと、米国内で一泊しなければ行き来出来ないほどの行程。ただ、それだけに海の青さは言葉ではとても言い表せないほどのものでした。

早朝スイムから、午前・午後のセッションを含めて、毎日6〜10km程を泳ぎました。OWSのもっとも至福の時の一つとは、底まで見通せる透明度の高い海で自分のペースで気持ちよく泳ぎ、まるで空を飛んでいるかのような感覚を得る時だと思います。上空20mほどとは言え、青い世界を自由にTI流フォームで飛行する心地よさを想像してみて下さい。

自家発電、雨水利用

さて、今回開催された場所はThe Island Schoolという、普段は高校生を対象に3ヶ月単位で教育を行う事前学校を運営している場所で、丁度学期が終わった12月中旬に開催されました。キャンプの参加者も普段は高校生達が使っているベッドのある大部屋に寝泊まりをしました。食事はブッフェスタイルと言えば聞こえが良すぎるかもしれませんが、その土地でとれたもので簡単に料理されたものが出されました。野菜・タンパク質・炭水化物も十分に摂れスイムキャンプとしては不足のないもの。しかし、過度に甘すぎるアメリカンスィーツは無かったので寂しいと感じた参加者もいたかもしれません。アルコール類は学生の施設とはいえ、特別に無料で提供されました。少々食べ過ぎな感もありましたが、習慣であるジョギングもできないほど泳いでいるため体重は増えはしませんでした。

電気はソーラーと風力発電、水は雨水を浄化したもの、車両の燃料にはキッチンで使う植物油から。排気ガスは天ぷら油の香りがします。仕事柄インターネットは必須で離島でどうなるか不安でしたが、衛星によるインターネットを利用させてもらいました。なおそうとうな田舎であるため、車や家に鍵をかける習慣がないようです。車や自転車に乗っていると、道行く人が必ず挨拶してくるのにはおどろきました。

クラスルームセッションの様子

コーチはテリーと竹内さんを含め米国から来た3名と、現地の学校の先生で今回TIを招聘した2人の5名。参加者は男性6名女性13名、トライアスロン経験者もいれば、海では25m以上泳いだことのない年配の女性の姿もありました。3日間とも朝6時過ぎの早朝スイム(3km以上、コーチと私のみ)、午前のクラスルームセッション(FP解説と練習内容説明)、スイムセッション(ビデオ撮影含む)、午後のクラスルームセッション(ビデオ分析)とスイムセッションの構成で進みました。夕食後にはテリー達のレースビデオや新しい4泳法DVDの完成直前ビデオ披露と解説など夜21時までスイム漬けの3拍4日でした。

二日目の午後は、施設から沖の砂の島へスイムと船で移動、スイムで施設へ戻るという南の島ならではの練習。全員が3〜5kmを完泳。海の経験の少ない参加者も達成感に満ちあふれる笑顔が印象的でした。

まさに「合宿」気分の寝室

三日目は、午前中に川のように流れるハーバーと外海をつなぐ水路で、まるでエンドレスプールで泳ぐように練習と撮影。午後には船でまた別の砂の島へ移動し、さらにまた別の砂の島へ泳ぎ渡りました。これだけ泳げば、当然ながらサイティング(報告確認)もずいぶん練習することになるのですが、海がきれいなこともあって下を見ることに意識を集中させることができました。海という自然環境、特に波の影響や進行方向を見たくなる欲求に駆られて、ついつい頭が上がってしまうOWSでありがちな精神的失敗を、さらに克服出来たように思います。おかげで海でもずいぶん真っ直ぐ滑るように進めるようになったと思います。海で冷静でいることを覚えたおかげで、自然環境の中でもTI流の泳ぎになっているかをセルフチェックする余裕も生まれてきました。

日本へ戻ってきて、バハマでの経験と増えた練習量を活かして練習を行った結果、プールでの自己計測タイムも伸びてきました。TIに出会って1年半、1,500mのタイムは25分→23分30秒まで伸びてきました。TIを始める前まではこれが限界かと30才台半ばに一時は思いましたが、18ヶ月で90秒の短縮。1ヶ月に5秒のペースで1,500mのタイム短縮に、自分の泳ぎの進化を感じています。まだまだ改善の余地と余裕が感じられます。もちろん苦しくはないのです。燃え尽き感もありません。むしろこれからもタイムが伸びていくかと思うと、自然とワクワクする感覚はどうしても抑えようありません。

今年は日本のTIスイマーの皆さんと一緒にTI流OWSを実践し、このワクワクする幸せな気持ちを広く分かち合う機会を実現するように活動していきたいと考えています。

牧田浩幸TIアソシエート・コーチは、肥満解消のために始めた運動にすっかりハマり、いまではロングのトライアスロンのレースにも積極的に参加しているアスリートです。水泳は子供の頃に少しやっていましたが、大人になってからTIスイムと出会ったことで、オープンウォーターや長距離のレースでも着実に記録を伸ばすようになりました。現在はメジャー・アンド・バーン・フィットネス株式会社を設立し、船堀スイムサロンにおいて様々なフィットネスサービスを提供しています。
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