A.クロールで息継ぎができるほとんどの人には好きな側、苦手な側がありますね。好きな側ではラクに呼吸ができるのに、苦手な側になると十分に息が吸えなかったり、水を飲んだり、バランスが崩れたりします。そもそも体の組成は左右が完全対称でなく、利き手や利き足もあるために左右で違いが出るのは当然のことなので、苦手な側が大キライであってもまず安心してください。
しかし水泳はスポーツであり、左右異なる運動を続けていれば体に問題が起きるかもしれません。手、足、首、体の各部位を、できるだけ左右同じように動かすことが、スポーツとして水泳を安全に、長く続けるために大切です。特にクロールは長い距離を泳ぐことが多いので、左右の筋肉を同様に動かすことで疲労を防ぐ目的もあります。
TIのワークショップでは、最終的に3回かいて1回呼吸する3ストローク1ブレスで練習します。こうすれば左右同じように息継ぎをすることになります。苦手な側で困らないようにするための工夫として、次のような順序でドリルを行っています。
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ルッキングアップ:スィートスポットの姿勢から体を反対側に回転させて逆側のスィートスポットの姿勢にする
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ルッキングダウン:フィッシュの姿勢から体を反対側に回転させて逆側のフィッシュの姿勢にする
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スニーキーブレス:スケーティングの姿勢から手を下げた状態のまま顔を回転させ、呼吸する
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スケーティング−スニーキーブレスの繰り返し:頭から発射するレーザービームが壁に当たるように
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トリプルアンダー−スニーキーブレスの繰り返し:伸ばした手が上がらないように
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トリプルジッパー−スニーキーブレスの繰り返し:ジッパーする手と顔の位置の関係をつかむ
なお交互に息継ぎするのがうまくいかない場合には、25メートルは左側、次の25メートルは右側というように側を決めて2ストローク1ブレスにしてもよいでしょう。ストローク数が少ない場合(15以下)、こちらの方が苦手な側を集中的に練習することができますし、壁や窓など、常に同じ方をみて息継ぎすればよいだけでカンタンです。
(回答:竹内慎司)
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