Q&Aのコーナー
Q:がんばろうと思えば思うほど力んでしまい、ラクに泳げるようになりません。何が悪いのでしょうか。

A.人間が水中にいるときの本能は
 ・手をぐるぐる回す
 ・足をばたばたさせる
 ・頭を上げる(腰や足が沈む)

であることをまず理解しましょう。手をぐるぐる回したり、足をばたばた動かしたり、腰や足が沈んでいる姿勢で泳ごうとすれば当然疲れます。つまり本能が出ている状態で泳ぐと疲れることになります。

ではどのようなとき、泳ぎに本能が出てしまうのでしょうか。不安になったり、苦しくなったり、安心したり、一生懸命になったり…感情が出ると本能も出てきます。うれしいときでさえ本能が出てくることがあります。

また感情が強くなると筋肉が緊張します。この筋肉の緊張は推進力には全く関係がないので、エネルギー消費の点からみれば浪費することになります。

従ってラクに泳ぐためには、「がんばる」「不安になる」などの感情をできるだけ排除し、頭から体に対して意識を働きかけることが非常に重要になります。

まずは自分でフォーカルポイントを決め、意識をそのポイントに集中してください。またフォーカルポイントがとくに決めらないということであれば、ストローク数を数えるだけでも感情や本能を抑えるのに効果があります。(回答:竹内慎司)

Q:私の泳ぎを見た知人が、上体だけをねじるようにローリングしないと水の抵抗が大きくなると助言してくれました。ドリルの腰から回転するということを意識しているせいかも知れませんが、なにか間違った動きになっているのでしょうか。
A:ローリングとは、背骨(または頭頂部からお尻までの直線)を軸として体を回転させることで、「呼吸がしやすくなる」、「リカバリー(手の返し)がやりやすくなる」、「体が安定する」、「胴体を使って進む基礎となる」などと考えられています。

正しくローリングができれば上記のような効果が得られるのですが、スイムサロンにいらしたお客様の多くが、「肩を意識したローリングのやりすぎ」(すなわち体の回しすぎ)により体がねじれ、足が開き、体が左右にぶれています。

自分の泳ぎが左右にぶれると感じるのであれば、「ローリングをしない」という意識をもってください。ローリングしないといっても呼吸するため、あるいはリカバリーするために肩は回転しているので、実際にはローリングしています。従ってローリングは意識をして行うのではなく、結果としてそのようになるものとお考えください。もし体が左右にぶれず安定していて、左右の切り替えにより推進力を得たい場合には、ローリングではなく「おへそが左右を向く」意識を持ちます。

できるだけ体を回転させず、フラットな意識で泳ぐ方が実際の回転は最小限となり体が安定します。この考え方を競泳向けに発展させたのが「2軸泳法」ですが、TIと2軸の違いについては別の場でビデオを使ってご説明したいと思います。(回答:竹内慎司)

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