海軍に21年以上務めている私は、イラク海軍の訓練と再建を補佐するために、現地6ヶ月勤務の指令を受けました。仕方なく水泳の自主トレーニングを諦め、水着もゴーグルも持たずに旅立ちました。ところがバグダットに降り立ってすぐに、元大統領邸のプールが常勤の隊員のために解放されていることを発見し、気を利かせた妻が水着とゴーグルを送ってくれました。
2004年7月、私は41歳でサンディエゴ・インターナショナル・トライアスロンに出場しました。グループでは5位に入賞して、シカゴ・トライアスロンと共に翌月に開かれるクライズデール・ワールド・ゲームへの出場資格を得ました。男性体重200ポンド(90キログラム)以上のクライズデール部門は、元フットボール選手でトライアスロン選手になった私には、パーフェクトです。

トライアスロンを始めたのは1990年初頭でしたが、トレーニングも簡素なもので、ほんのたまにやるだけでした。2004年のサンディエゴ・トライアスロンの前にいくつかの短いコースのレースには参加しましたが、シカゴが私にとってはじめての国際長距離イベントでした。私の年齢/体重別グループではかろうじて2位になりましたが、満足のゆくものではありませんでした。

1500メートルの遠泳はとても辛く、走る余力を全く失ってしまいました。水は冷たく、波は荒く、初めてウェット・スーツを着用しましたが、このようなコンディションを想定してトレーニングをしたことは全くありませんでした。リズムをつかめず、すぐに疲れてしまい、結局ほとんど平泳ぎで泳ぎきりました。十代の時には、数え切れないほどのラップを泳ぎ、いくつものメダルを手にしてきましたが、準備が全くできていなかったことを実感しました。ウェブサイトでトライアスロンのトレーニングについての情報を検索しましたが、より優れたスイマーになるためのノウハウを提供してくれるものは見つかりませんでした。

運よく、私の通うジムのトレーナーが私の泳ぎを見て、トータル・イマージョンについて知っているかを尋ねてくれました。とても画期的な、効率のいい水泳の習得法であることを聞き、さっそく「Triathlon Swimming Made Easy」を購入して期待に胸を膨らませました。

本を読んだ限りでは、TI方式がそれほど効果的であることにまだ疑心暗鬼でしたが、「魚のような泳ぎ」を身につけ、来るトライアスロンのレースでの泳ぎを改善してくれるであろう新しいドリルをやり始めたくてうずうずしました。ところが時期を同じくして、海軍に21年以上務めている私は、イラク海軍の訓練と再建を補佐するために、現地6ヶ月勤務の指令を受けました。仕方なく水泳の自主トレーニングを諦め、水着もゴーグルも持たずに旅立ちました。

ところがバグダットに降り立ってすぐに、元大統領邸のプールが常勤の隊員のために解放されていることを発見し、気を利かせた妻が水着とゴーグルを送ってくれました。トップランクのこのプールは夕方には120度の酷暑を逃れる人でごった返すので、人気のない早朝、まだ水も冷たく穏やかな時にアンダーとジッパー・スイッチを集中して練習しました。

TIの練習を始めて以来、水中での動きが目に見えて変わりました。より心地よく、パワフルに泳げるようになりました。またプールのはっきりした長さがわからないことが返って“どれだけ長く”ではなく、“うまく”泳ぐことに専念できた理由です。おそらく距離的には以前よりも泳いでいませんが、泳ぎの質は改善し、TIを練習する以前に比べて疲れにくくなったのも事実です。

まだまだこれからですが、正しい“道具”を手に入れたことは確かです。交戦地帯にいながらも、ひとたびプールに入れば、満足のいく時間を過ごすことができます。1日も早く家に帰って、翌年のトライアスロンのシーズンに備えて準備を開始したいと思います。

 

旧サダム宮殿とプール
サダム宮殿のプールでジッパースケートを練習するカラベオ中佐

 

ブライアン・カラベオは、カリフォルニアのリビングストン出身です。1984年に米国海軍アカデミーを卒業し、以来世界中で勤務しました。妻のジェニーと3人いる子供のうち2人と一緒にカリフォルニアのサンティーに住んでいます。ブライアンは現在多国籍軍の一員としてイラクに6ヶ月の任期で勤務中です。10月後半にはサンティーに帰り、レースに出場予定です。
 ©Easy Swimming Corporation