美クロのコツコツ:背中の湾曲を避ける トータル・イマージョン代表 竹内慎司
2019年8月10日
美しいクロールを泳ぐために、身につけなければならない技術をご紹介します。
これらの技術は、知ったらすぐにできる「コツ」ではありません。意識をしながらコツコツと練習することで身につけることができます。
クロールでは、手を水面すれすれに伸ばしなさいと言われます。
その方がたくさんかけるから、手を下げると手が受ける水の抵抗が増えるから、などいろいろな理由があります。
でも、大人になってから水泳を始めた人に有効なアドバイスなのでしょうか。
水面すれすれに伸ばすとからだがどのようになるのかを、陸上でカンタンにテストすることができます。
手を水面近くで伸ばすと、腰が下がって背中がアーチ状になり、水の抵抗が大きくなります。
陸上で試すとよくわかります。最初に両手を前に伸ばして、ゆっくり持ち上げます。真上から30度ぐらいの場所まで手を持ち上げると、背中が反り始めて、腰が前に動きます。クロールでこの方向よりも水面に近い位置に手を伸ばすと、下半身が下がることになります。(陸上写真左)
背中が湾曲して下半身が沈むのを避けるには、水面から離れた場所に手を伸ばします。
陸上の練習では、最初に両手を前に伸ばした状態で、背中をまっすぐにします。次にゆっくり両手を持ち上げながら、まっすぐな姿勢が維持できる限界を探します。(陸上写真右)
背中や腰に変化が起きる直前の手の方向を覚えて、その角度を保ちながら片手を下ろして斜め姿勢を作ります。これがクロールを泳ぐときの姿勢になります。
最初は手の位置がとても深いことに驚くでしょう。この方向(あるいは手の深さ)は、体幹を使って背中をまっすぐにすることができるようになるに従って浅くすることができます。手の位置が浅くなる分手が受ける水の抵抗も減って、より滑るようになります。(水中写真)