クロール改造計画 鈴木佳代子さん トータル・イマージョン代表 竹内慎司

 2018年12月10日

スイマーの情報
氏名:鈴木佳代子さん(仮名)
目標:50m30秒で泳ぎたい
現在のタイム:50m33秒

ビデオURL:https://tiswim.vids.io/videos/a49ddeb11d1ce5c72c/video-analysis-02

 

ビデオでわかるカイゼンポイント
ビデオを見ると、手を動かしているわりには、からだの進みが少ないようです。
原因としては、「手が水を捉えるための形になっていない」「手を水中で速く動かそうとして、水の抗力を減らしている」の2つが考えられます。

○手が水を捉えるための形になっていない
水中の手の動作は「キャッチ」「プル」「プッシュ」というフェーズに分かれますが、キャッチからプルにかけていかに多くの水を捉えて、プッシュで運ぶかがスピードアップの鍵です。
鈴木さんのキャッチ直前の状態は、写真1にあるように肘が曲がって手が肩より高い位置にあります。このように肘が曲がっていると、肘を引いたまま手を動かすことになり、手に当たる水の面積が小さくなります。
理想的な形は、手が肩より下がっていて、肘を前に曲げることで前腕を立てた状態です。

写真1

○手を水中で速く動かそうとしている
速く泳ぐ=速く手を動かすと考えると、水中で手が受ける水の抵抗を減らそうとして、手がゆるんだ動きになります。この結果空回りしているように見えます。
水中で速く泳ぐには、手を動かすときの水の抗力を最大にする必要があります。水を押す面積を増やす、水を押す時間を延ばすなどして水中での推進力を増やす必要があります。

○ストレートアームに注意
水上で手をまっすぐ伸ばしたままリカバリーする「ストレートアーム」で泳いでいます。
ストレートアームを使う場合、エントリーにおいて最大スピードになるようにしなければ速く泳げません。現在はエントリー直前に減速しているので、ストレートアームのメリットが得られていません。
特にフィニッシュで手を高く持ち上げる意識が強いため、このときからだ全体がホップして無駄な上下動を招いています。
またエントリーするときに手の慣性を抑えることができず、内側に入水しています。横方向の動きが発生してエネルギーロスや速度低下を招きます。

写真2

クロール改造計画
クロールを改造する手順は以下の通りです。

  1. 速く泳ぐために、デザインする。
  2. 泳ぎの「ギア」を作る。
  3. どのギアをいつ使うか計画する。

「速く泳ぐ」デザインとは
水泳のスピード(タイム)は、「ストローク数」と「テンポ(1ストロークあたりに要する時間)」の積で決まります。一般的に速く泳ごうとすると、テンポを速くしようとします。このときに1ストロークあたりに進む距離が短くなりますが、ストローク数が極端に増えると、以前より遅くなってしまいます。
このためストローク数の増加を最小限にして、テンポを速くすることが速く泳ぐためには必要です。

泳ぎの「ギア」を作る
ギアとは泳ぎ方のことで、具体的にはテンポとストローク数の組み合わせです。ストローク数を変える練習、テンポを変える練習、ストローク数固定でテンポを変える練習、テンポを固定でストローク数を変える練習を行うことで、速く泳ぐためのテンポとストローク数の組み合わせをいくつか持つようにします。

使う計画を立てる
最初に、現在のストローク数とタイムを計測して、テンポを算出します。
目標は10%速くなることなので、
-ストローク数を変えずにテンポを10%速くする
-テンポを変えずにストローク数を10%減らす
のいずれかが実現できれば目標は達成しますが、最初のステップとしては5%アップを目標として、
-現在のテンポでストローク数を5%減らす
-現在のストローク数でテンポを5%速くする
が実現できるようにテンポとストローク数の組み合わせを決めます。
これらのギアがいつでも使えるようにするために、テンポ練習やストローク練習を行ってからだに染み込ませます。

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