Swim Like Shinji:実録レッスン:ラクに滑るように泳ぐには トータル・イマージョン代表 竹内慎司
2018年4月10日
短時間で水泳がどこまで上達できるのか。
新しいメソッドの検証の場としてレッスンを始めた。
○お客様:Kさん(52歳)
-6ストロークしか泳げない(からだが沈むため)。
-TIレッスン受講歴:なし
-DVDなどの教材の購入:なし
-ドリルの練習:なし
からだが沈むので、泳ぎ続けることができない。
フィットネスクラブの成人レッスンに参加したことはあるが、コーチから「腹圧をかけろ」と言われたものの何をすればよいかわからなかった。
トライアスロンの大会に参加登録をしたので、1カ月で1500m泳げるようにならないといけない。
YouTubeのビデオを見て、これだと思って申し込んだ。
過去のスポーツ経歴
- 剣道:小学校および中学校
- 空手:高校
- ゴルフ:成人になってから少々
○レッスンのアプローチ
Kさんのスポーツ経歴より、以下についての理解は深いと判断した。
- 重心移動
- 素早い動作による加速
- 支えになる場所と動かす場所の区別
- てこの利用
- 相手の動きに合わせて自分を動かす
そこで、以下のような点をまず理解してもらった。
- 水泳こそ重心移動が必要であること
- 力ではなく加速であること
- からだの使い方はどこに指示するかで動かし方が変わること
- エネルギー消費が減れば苦しくなくなること
そのうえで、上記の点を阻害する以下の言葉を脳から削除してもらった。
- 浮く
- かく
- 蹴る
- 運ぶ
- 伸びる
この段階で新しい技術を吸収できる素地が整う。
次に技術をドリルで身につける。それぞれの技術は動詞でラベル付けするので、動作全体を覚えるのに役立つ。
- 委ねる:からだのできるだけ多くの面積を使って水を押し、重心を移動する。
- 跳ねる:ひざをゆるめ、ひざの裏を素早く伸ばして加速する。
- 乗る:初速を加えた後に、上半身で水を押し続けることで下半身を上げる。
- 滑る:前後左右がバランスした姿勢で水を押すことで、減速を抑えて前に移動する。
- 合わせる:手と足、左右の手の動作のタイミングを合わせる。
過去の運動経歴が役に立つ
これまでの指導経験により、どのようなスポーツであれその経験は水泳に役立つことがわかった。
- からだの動かし方
- 重心の捉え方
- 感覚・知覚
こちらにそのスポーツの経験が全くなくても、一般的な知識から「そのスポーツのこの動きはこのようなことをしていますね?」と問い掛けると、ほぼ正解であった。
結局人間がやる運動である以上、人間がやれる範囲でやれることをやっているのである。
従って水泳固有の視点(重力、座標、支え)さえ理解できれば難しいものではないことがわかる。
○レッスンの成果
15分のドライランド・リハーサルと45分のレッスンを1つのセットとして、休憩をはさんで2セット行った。
6ストローク泳いでも沈まなくなり、息継ぎなしで12ストロークまで泳げるようになった。またスピードもほぼ倍に速くなった。
大会まで日が浅いため、確実に呼吸ができる技術と、方向確認する技術を次の習得目標とした。
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