最近、あまり上手くなっていないと感じている方へ TIシニアコーチ 中村大輔
2018年2月10日
中村コーチ |
TIジャパン・シニアコーチの中村大輔です。
いつもトータル・スイム・マガジンをご覧頂きまして、ありがとうございます。今回は上達の過程で起こる「プラトー(高原現象)」というものを解説します。
皆さんもそうだったように、初心者の時期というのは一旦コツを掴むと、面白いように上達をしていくものです。しかし、ある程度の期間取り組んでいると、上達の度合いは徐々に鈍化していき、そのうちに高止まりします。この状態を「プラトー」といいます。
よくスランプと混同されがちですが、スランプは様々な要因でそれまでよりもマイナスになっている状態を指すのに対し、プラトーはプラスマイナス・ゼロの状態が続くことを云います。これはメンタルやモチベーションに関係なく上達の過程において誰にでも起こるものです。
プラトーになるとマンネリを感じがちです。しかし見方を変えると、自分のレベルがある一定の所に達したと見ることもできます。そこでまず考えたいのは、現状に満足しているかどうかです。
現状に満足をしている人はそのクオリティを維持することに専念してみてはどうでしょうか。運動はその日の体調や時間帯によってパフォーマンスが変化するので、無調整で泳ぎ続けると次第に動きに狂いが生じます。クオリティを維持するということは常に自分の動きを良い状態に調整し続けるということなので、実は上達し続けることと同じくらい難しいことなのです。
一方、向上心が高くて現状に満足していない人は、違う種目に挑戦してみるなどして、一旦視点を変えてみることをお勧めします。そこで新たな発想や応用が生まれて、プラトーを脱する可能性があります。