Swim Like Shinji:テンポ・トレーナーが使えないときのスピードアップ練習   トータル・イマージョン代表 竹内慎司

 2017年12月10日
スイム 2000yds
久しぶりの地元でのプール練習であったため、40分間の慣らし運転とした。
先日千駄ヶ谷のプールでテンポ・トレーナーを使って練習していたら、終わり頃になって使用できないとライフガードが忠告してきた。1コースあたりのスイマーは多いし、あれはダメこれはダメと制約も多いし(練習メニューを置くこともできない)、日本のプールは実に練習しづらい環境であると実感した。

今回はそのような環境でもスピードアップ練習するにはどうすればよいかを試すことにした。

○アップ 400yds
100ydsずつ意識を変える。

  1. ラップごとにリラックス感ー前のめり感ー安定感ーなめらか感を高める
  2. 入水の場所を頭頂部の横延長線上にする
  3. キャッチとプルで肘てこを使う
  4. プッシュで体幹てこを使う

○ストロークピラミッド 18×50yds
最初にストローク数を数える:行き16(=n)帰り17
次の回は同じストローク数で泳ぐ
以降はn-1, n-2, n-3, n-4, n-3, n-2, n-1, nで2回ずつ泳ぐ
帰りは行きの+1とする

ストローク数を2減らすまでは伸びる時間を増やしてゆっくり泳ぐことで対応できる。
さらに減らすためには、水中で動かす手の距離を延ばしたり、水を強く押すなどの加速の道具が必要になる。

最初の50ydsのタイム:50秒
12ストローク(n-4)のときのタイム:52秒

ここからストローク数を増やし始めるが、急激にタイムが3秒速くなり49秒となる。以降は毎回タイムが速くなり43秒で終えた。つまり最初と同じ16/17ストロークで泳ぎながら、50ydsで7秒速くなったのである。これが加速を上げる練習の効果である。

○ストロークピラミッド 6×100yds
n-2/残りn-1, n-1/残りn, n/残りn+1でそれぞれ2回泳ぐ。つまり14ストローク/残り15ストロークで100を2回、15ストローク/残り16ストロークで100を2回、16ストローク/残り17ストロークで100を2回泳ぐ。

14/15ストローク 1分32秒
15/16ストローク 1分29秒
16/17ストローク 1分24秒

ストローク数の増加がタイムの短縮につながっていることから、空回りしていないことがわかる。

私の来年の目標は23分であり、目標ペースで100ydsを泳げたことになる。

以上より目標達成のためには最初のラップを16ストローク、以降のラップを17ストロークで泳ぎ、100ydsあたり1分24秒のペースで泳げばよいことがわかる。
実際には6%の劣化を考慮する必要があり、そうなると15/16ストロークで1分24秒が維持できる泳ぎを作ることになる。

このようにテンポ・トレーナーがなくても目標を達成するための泳ぎを作ることができる。
なおテンポ・トレーナーがあればペース練習ができるので、長距離における泳ぎの誤差が小さくて済む。この代替としてはインターバル練習を取り入れるのがよいかもしれない。
今後自分で試すことにする。

竹内慎司TI代表のブログSwim Like Shinjiはこちら→

 ©Easy Swimming Corporation