ロングスイムのメンタル TIシニアコーチ 山口工

 2017年10月10日
山口コーチ

皆様こんにちは!

トータル・イマージョンの山口です。
夏のシーズンも終盤、今夏に初めて長い距離にチャレンジした方も多いのではないでしょうか。ときどき「初めて〜mを泳ぐのですが、ペースはどのくらいにすればいいですか」と聞かれることがあります。

回答としては「永遠に泳いでいられるようなペース」と答えます。そんな曖昧なアドバイスじゃ...と言われることもありますが冗談ではありません。初めて泳ぐ距離では、泳いでる最中に起こる身体や気持ちの変化が予想しにくいです。とくに海では気持ちの変化に戸惑ってリタイアしてしまう方がとても多いです。

例えばプールで1,000m泳げたから、海でも数百mは泳げるはずだと思います。体力的には問題がなくても、海で泳ぐと不意に不安感や恐怖感に襲われることがあり、大した距離でないのにパニックになってしまうことがあります。

だからこそ気持ちにかなり余裕のある「永遠に泳いでいられるようなペース」を身につけることが最初の課題なのです。

最初は、ゴールしてもすぐさままた泳げるようなペースでいいのです。これを繰り返して身体に定着させた後、各セクションをどのくらいの時間で通過するなどの目標を立てます。そしてそのセクションタイムに必要なスプリットタイムを見つけ、必要な技術と体力を身につける努力をします。

大海原で泳ぐというのは当然リスクがあり、基本的には自分の身は自分で守らねばなりません。トライアスロンやオープンウォーターはタイム競技ではありますが、無事にゴールできることが必須条件です。制限タイムなどを気にする前に、もう一度自分にどれだけの余裕があり今のスピードを出しているかを見つめ直してみましょう。

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