Swim Like Shinji:水面を下げて息継ぎをラクにする  トータル・イマージョン代表 竹内慎司

 2017年9月10日
カイゼンシリーズの新版を作成するため、再びドリルの撮影に取り組んでいる。
DVDジャケット用の写真を撮影するため、スマートフォンの連続撮影機能を使ったところ、高速撮影で鮮明な画像を入手することができた。
今回はこの写真を使って息継ぎの詳しい動きを説明する。

○息継ぎ完成形:水面を下げる

私が息継ぎで口を開けている瞬間(写真)である。

進行方向で頭の前の水面が盛り上がっていて、口の周りの水面の高さと隆起している部分の水面の高さの差が20cm以上あることがわかる。
口の周りの水面を下げることと、口の端が水面にかかる程度に顔を回すことで、からだの回転を最小限にして息継ぎをすることができる。

○船首波ができるステップ
この水面が盛り上がった状態を「船首波(Bow wave)」と言う。頭の前にある水が素早く押されることで、頭の周りに逃げ込むようにして波ができる。このときに頭の周りにくぼみができる。このくぼみを使って呼吸するのである。

それではこの波をどのようにして作ることができるのだろうか。
下は息継ぎをする前の状態で、プッシュが終わる前のタイミングである。頭頂部は水面下にあり、顔とからだが回っていることがわかる。
水面をよく見ると、ざわざわしているようだが船首波はできていない。

下はフィニッシュが終わる直前のタイミングである。水面を見ると、船首波ができつつあることがわかる。頭の位置は下を向いているときに比べて3cm程度上がっている。

口は水面に近づいていて、表面張力でまとわりつく水を飛ばすために息を吐き始めている。

以上より、船首波を作って水面を下げるためのステップをまとめると以下のようになる。

  1. 頭の位置は下を向いたときに水面直下(後頭部が水面下)にある。
  2. 水中のプッシュ動作で、頭を素早く前に動かすと同時に頭の位置を3cm上げる。
  3. 手を水上に出すフィニッシュ動作の直前から、口から息を吐き始める。
  4. 口の端が水面に来るぎりぎりのところまでで顔を回し終える。
  5. 横の景色、特に水面の高さを目で確認する。

練習では頭の位置と水中の手を素早く動かすタイミングを変えながら、顔を回す角度を抑えて口の端が水面に来るようにする。

水面が下がると、息継ぎをしているときに水面が目の位置よりも高く見える。景色によりできたかどうか確認することができる。

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