量より質にこだわったトレーニングを TIシニアコーチ 中村大輔

 2017年7月10日
中村コーチ

TIジャパンシニアコーチの中村大輔です。いつもトータル・スイムマガジンをご覧頂きまして、ありがとうございます。このメールマガジンをご覧になっている方の中には、今年からトライアスロンやOWSでレースデビューを控えている方もきっとおられることでしょう。

ちゃんと完泳できるだろうか・・・
途中、苦しくなったらどうしよう・・・

そんな不安に駆られている人達に分かってもらいたいです。トレーニングは量より質であることを。そういう訳で、質を重視したトレーニングの一例を紹介します。

////////////////////
50m×5本 サークル1:00〜1:30
・ 1本につき、10〜15秒のレストになるようサークルを設定
・ ストローク数をカウント(25mプールの場合、往きと帰り両方を数える)
・ 全て同じ数になるよう5本泳ぎ切る
////////////////////

これだけです。
まずは3セット、ストローク数が変わらず泳げるようになりましょう。6セットこなせば1.5km泳いだことになります。慣れてきたら、1本の距離を100mにしてもOKです。できればテンポトレーナー・プロがあるとベターですね。

レース経験がないor少ない人は、体力面やメンタル的な不安から、とにかく距離をこなそうとしがちです。私たち一般人は日々の仕事や家事をこなしつつ、時間をやりくりしてトレーニングを行わなければなりません。その限られた時間の中で、成果を出すためには1本当たりの泳ぎの質にこだわったトレーニングをすべきです。例えば、アイアンマンレースに出るとして、日々のトレーニングで毎回スイム3.8km・バイク180km・マラソン42.195kmをこなしている人は、まずいないでしょう。

最後に一つ、言葉を紹介します。
水泳にも共通する大切な考えです。

スピードを保てばいいのに、さらにスピードを上げようとしている。
大事なことは、トップスピードに乗ったらフォームを保ち、スピードを維持することだ。
――ウサイン・ボルト

 ©Easy Swimming Corporation