指と指の間隔と速度の関係 TIスイム創設者 テリー・ラクリン

 2017年4月10日
泳いでる時は、手の指を閉じる方がいいのでしょうか?それとも手をリラックスさせて指と指の間に少し隙間ができるくらいがいいのでしょうか?TIを知らない多くの指導者またはスイマーは、閉じている方がパドルに近い形になるので良いと思っているようです。

一方TIでは、手に力を入れないように指導してきました。そして、リカバリーの時でさえ、コーチたちは指が閉じてしまっていないかを注意深く見てきました。

入水直前の手をリラックスした状態

さて、TIと従来の方法のどちらが正しいのでしょうか?

先月開催された第69回米国流体力学会で発表された研究結果では、クロールを泳ぐ時は、以下の写真のように、指がわずかに離れている方が効率良く泳げると示されたそうです。(このスイマーの右手から右のつま先にかけてのラインもとても綺麗です。)

これは、指の間を10度ずつ開いた状態です。

物理学者たちは、3Dプリンターでプラスチックの手と腕を風洞でテストしたところ、指を10度ずつ開いた状態のモデルが一番抵抗を生み出すことを発見しました。指の間にわずかに隙間があっても空気の流れを妨げるのです。

研究の対象はスイミングですが、水面の波の影響を避けるために、この実験はプールではなく、空洞で行われました。流体力学は、空気力学と同じ原理に従っているので、水中でも結果は同じになるという結論に達したのです。

研究者たちによると、指の間を10度ずつ開いた方が、ぴったり閉じて泳ぐより、2.5%速く進むという計算になるそうです。50mの自由形でわずか10分の数秒の差ですが、2016年夏のオリンピックの女子50m自由形決勝で、1位と2位の差が0.02秒であったことを考えれば、その差は著しいとも言えます。

1500mのオープンウォーターを40分で泳ぐトライアスロンの選手は、手をリラックスさせるだけで、1分速くなるということです。

しかし、手をリラックスさせることによる大きな利点は他にあります。私たちが手をリラックスさせるように教えてきた一番の理由は、流体力学の効果としても示されているように、手に力を入れて指を閉じることによって、手を前に伸ばした時に、手が上に押し上げられてしまうからです。これによって、足が下がり、抵抗を大幅に増やしてしまうのです。

この角度で入水して、抵抗を減らし、足が上がるようにします。

一方、手をリラックスさせると、自然と手が弧を描くように下を向くので、足が上がり、抵抗も減ります。それによって、スピードも大幅に上がるのです。

弧を描くように手をリラックスさせて、足を水面に向かって上げます。

長い経験を通して確信していますが、手をリラックスさせることで、バランスが良くなり、抵抗も減るので、確実にスピードが上がります。それと同時に、ストロークの推進力も上がると私は感じています。

簡単な実験で、私はこの結論に達しました。プールまたは深い流しに手を浸け、前後に動かします。初めは指を閉じて行い、次に手をリラックスさせて、自然と指の間に隙間ができるようにします。(指を広げるのではなく、ただ力を抜くようにします。)そして、手に感じる水の抵抗を比べます。

この私たちの考えが、物理学者の研究によって支持されたことは、喜ばしいことです。

 ©Easy Swimming Corporation