動けない老人になりたくない TIスイム創設者 テリー・ラクリン

 2017年3月10日

今回は、ライターおよびブロガーとして知られているマライア・バートン・ネルソンさんの2回目のゲスト投稿です。マライアさんのような、評判の高い著者であり思想家の記事を特集できることは、とても光栄です。彼女が今スイミングに凝っていて、彼女のTIトレーニングとトレーニング後の過ごし方を結び付けて考えていらっしゃることを嬉しく思います。最初のゲスト投稿でマライアさんは、水の抵抗を最低限に抑えたストロークに集中した後は、その後の生活の中でも、静かで丁寧な動きをしたくなったと語っています。今回の投稿では、彼女の意識が、彼女の素行から身体的状態に向けられたことについて語ってくれています。

決して無駄ではありません。TIスイミングはあなたの人生を変えます!
(注:下の動画は、マライアさんが25ヤードを12ストロークでリラックスして泳いでいるものです。)


関節が痛くて動けない老人にはなりたくありません。

これは、避けることはできないのでしょうか?

多分そうでしょう。正直、私も中年になって、既に関節が痛みます。

こんな仮説があります。「身体が硬くて痛みのある人は、筋肉の緊張を自分の身体に焼き付けてしまう。」

何を練習するにしても、それは強化するために行います。練習で常に身体を緊張させることで、首や背中、肩などの永続的な凝りや疲労の原因になったりします。

トゥレット症候群(慢性的チック症の重症なもの)を持つジョッシュ・ハナガンさんは、立て続けに起こる筋肉の収縮は、ひどく体力を消耗させると言いいます。脳性麻痺を患っているコメディアンのメイスーン・ザイッドさんも、ハナガンさんと同じように、病気で常に身体が震えることで、疲労困憊すると言っています。

何気なしに肩や背中、首などを収縮させたり、ぎゅっと力を入れたり締め付けたりすることで、家や仕事場だけに限らず、水中でも誰しもが多少は疲れるのではないでしょうか。

トータルイマージョンの生徒として、泳ぐこととリラックスすることを同時に習っています。(下の動画がそれを試みているところです。)例えば、テリー・ロクリンさんが教えてくれたのは、リカバリーで前に移動する手は、だらりとぶら下げて、水面をかすめるように動かすということです。

そこで私は、陸上ではどの動きがリカバリーに当たるのか考えました。ロクリンさんの言う「楽な持久力」を陸上で適用できるのだろうか。例えば歩いている時、肩の力を抜いて、耳の方に持ち上げるべきなのだろうか。仕事をしている時は、あごを締めるべきなのだろうか。

予想どおり、ロクリンさんは、私のはるか先を行っていました。

「私は1か所に絞ってリラックスすることを意識し始めたので(首をリラックスして頭を垂らしたり、手の筋肉を常に緩めていたり、前腕をぶらぶらさせたり)、普通の生活においてよく起こるような、意図的でなく、非生産的な筋肉の緊張を楽に意識することがでるようになりました。」と話してくれました。

私は大学で太極拳を学びました。ある日、私の講師がデモンストレーションのために、80歳の日本人の師範を招待しました。彼が動き始める前に、講師が「筋肉に全く力が入っていないのが判りますか。」と言いました。

筋肉の弛緩は、私の目的ではありませんでしたが、講師は大事な点を指摘してくださいました。筋肉は動作のために使うものということです。不必要に筋肉を緊張させることは、疲労や怪我の原因になるのです。

筋力トレーニングについての議論ではありません。水中と陸上での意識と効率的な動作についての議論です。高齢になって、柔軟で痛みのない、活力のある身体を持てるかは判りませんが、今行う‐または行わない‐動作が、その後の違いを生むのだと思います。


元スタンフォードおよびプロバスケットプレイヤーのマライア・バートン・ネルソンさんは、女子スポーツ選手についての本を6冊出しており、ASAE(米国協会理事協会)のイノベーション責任者としても活動しています。

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